障害者施設での虐待を描いたTVドラマ「聖者の行進」
今回取り上げるDVDはこれ
「グッバイ・ジョー」
なんともやるせない映画です。
ジョーという子どもが家庭や地域社会の犠牲にあって、すさんでいく過程をそのまま見せてくれる映画です。
主人公のジョーー・ヘンリーの家庭は、飲んだくれで奥さんにも子供にも暴力を振るうダメおやじ。
しかしこのダメおやじも、実は社会の負け組でアルコールに逃げることで何とか生きて居られるという人物。
母親は、それでも何とか家の中を切り回そうとするのですが、思春期の子ども二人とアルコール依存の主人に振り回され、疲れ果てています。
そういう家庭に育ったジョーは大人や社会に対する信頼を持てず、疲れ果てて乾いたまなざしの思春期に育っていきます。
もちろん思春期ですから、「性」と「力」と「悪」の洗礼を受けずにはいられませんが、しかし基本的に他人を信じていないせいか、幼馴染や兄弟のなど、限られた数人にしか心を開こうとしません。
いるよな~、こういう子って。
私もこの映画を見ながら何人かの子どもの顔が思い浮かんできました。
冒頭に「すさんでいく過程をそのまま見せてくれる映画」と書きましたが、実は正確に言うと「(子どもが)すさんでいかざるを得ない家庭をそのまま見せてくれる映画」だろうと思いますね。
その中で犠牲になる次男のジョーは、本来決して「こころがすさんだ子ども」などではないのです。
その証拠が彼の行動やふと見せる表情に現れています。
ここを見落とすと「どうしようもない悪ガキ」としか見えないでしょう。
そしてそういう風に子どもを見てしまう大人のなんと多いことか。
大人自身、日々の生活に必死で、気持ちに余裕がなくなっているのでしょう。
最近、また新聞・テレビ等で虐待のニュースが沢山流れてくるようになりました。
もちろんニュースとして取り上げられないだけで、巷にはたくさんの犠牲になった子どもたちの姿があふれています。
児童相談所の仕事の様子を見聞きするだけで、その実態がうかがえます。
アベノミクスのニュースの陰で、障害者施設への予算や介助者の報酬が減らされたり、
給料やボーナスが上がった大手企業の陰で経済的格差に苦しむ貧困世帯。
決して映画だけの話ではありませんよ。
何とかならないのだろうか、タメ息が出てくるような映画でした。
ただ、ネタバレしてはいけないので詳しくは言えないのですが、
映画の最後のシーン・エピソードが救いでした。
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