こころの問題<12> 「父なる天(神)」
さて、大体小学年中~高学年ぐらいに「自分のことをもう一人の自分が見つめる」メタ認知の能力が育ってくることを前回書きました。このメタ認知によって、他人に対する共感や思いやり、人間関係の基礎が身につくわけです。ですから大変大切な機能だということができると思いますが、同時にとても厄介な機能でもあります。
何より
1)自分を客観的に見つめることで、万能感が崩れ、自己愛が傷つく
これについてはこれまで触れてきたように、多少の傷つきは当たり前のことです。大体小学校低学年ぐらいまでのファンタジーの中に生きている方が、どちらかというと現実的ではありませんよね。
ですから現実に目覚めると当然傷つきも出てきます。
その衝撃を何とか乗り越えるだけのエネルギーがでるかどうかの決め手は、小学校の低学年までの夢見るようなバラ色の時代を十分に過ごせて来れたかどうか、にかかっているわけです。
その上でさらに
2)「親からの自立」という問題が出てきます。これはまた難題です。
なによりメタ認知のおかげで、自分の力のなさにきづきながらも親という高く立ちはだかる壁を超えていかねばならないのですから。そこにはどうしても「勢い」と言うものが必要になってきます。
その「勢い」を出す手段が「怒り」と「反抗」なのです。
少し想像力を広げて、地球を飛び立ち宇宙へと向かうロケットをイメージしてください。
ロケットは、発射台にセットされ、エンジンに点火され、猛烈な炎と轟音で発射されます。
そのぐらいの勢いとエネルギーがなければ、あんな重いものが飛び立つわけがありません。
子ども自身、自分が重たいロケットのように自力で空を飛べるわけがない、ということはメタ認知で気が付いているのです。
しかしそれでも地球を、母なる大地を離れたいという自立への衝動はなくなることはありません。
ですから、発射の時には猛烈なエネルギーを周囲にぶつけながら勢いづけていく必要があるわけです。
その時の燃料が小学校低学年までに蓄積されている必要があるわけですね。
さらにその後ロケットは地球の引力に逆らい、大気圏での猛烈な摩擦に打ち勝って飛び続けなければいけません。
これらの難題をどうやってロケットは乗り越えていくのでしょうか?
長くなるので、続きは次回。
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