大切なことは絵本から学んだ ⑧ あさのこないよるはない 「あさになったので まどをあけますよ」
今日取り上げる絵本は「あたらしい ぼく」
“なんかへんな かんじなんだ”
“たしかに ぼくは ここにいるんだけど
そのぼくは ぼくじゃないみたいなんだ”
こういう自分への不思議から始まる「あたらしい ぼく」
この「ぼく」はどうやら10歳ぐらいでしょうか。
友達が遊びに来ても、以前のように無邪気に遊ぶのではなく
二人で「さんぽ」にでかける二人。
帰って来て部屋に戻って、部屋を見渡すと、これまで自分が大切に思っていたものが
ただの「もの」に見えてくるのでした。
ただ、貝だけはただの「貝殻」ではなく、
“ふしぎだな
いままでは 貝がらなんて みたこともなかったよ
ぼくにひろわれるまえ こんなきれいな貝が
海のそこで 生きていたんだろうか
そんなこと かんがえたことも なかった”
つまり「ぼく」は見えている「もの」の向こうにあるものが感じられるようになったのです。
つまに世の中には「目に見えないこと」があるということに気が付いてしまったのです。
そしてそれは自分自身についても同じ。
ここにいる自分は何者なんだろう?
子ども時代から思春期へと移り行く大切で、唐突な一瞬を、見事な文章と絵で繊細に描いてくれた絵本です。
あぁ~そういえば私にもそういう時があったかもしれない・・・
「ぼく」と同年代の子どもたちだけでなく、大人の胸もキュンとなる絵本でした。
◇◆◇ こんな絵本も
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