映画「精神」:「病と共に生きる人」、そしてその彼らと共に生きる人
今日紹介するDVDはこれです。
DVDのジャケットだけ見ていると、
なんだかイケメンがキューピッドの矢を射るようなイメージがあるかもしれませんが、
ところがどっこい、この映画は現代社会の大問題を描いた問題作だと思います。
作家の母親を持つ息子のケヴィンは、なぜか幼い頃から母親にだけ反抗を繰り返し、心を開こうとしない。
幼い頃は自閉症も疑われたが、はっきりとしない。
とにかく母親にだけはなぜか思いきり反抗的なまなざしと、
ある種知能犯的な態度を崩さないのです。
父親に対しては素直な良い子を演じるのですが、
その二面性は周囲の者には気づかれていません。
やがて美しく、賢い、完璧な息子へと成長したケヴィンであったが、
母への反抗心は少しも治まることはなく、
用意周到で悪意に満ちた行動で、家族を破壊し、
最後には残虐な大事件を起こしてしまいます。
この息子を、いわゆる生れついたサイコパスと捉えるのか、
母親との関係の中での愛着障害ととらえるのか、
発達の過程での素行障害や反抗挑戦性障害ととらえるのか、
そういう問題は横に置いておきましょう。
ただ、現代社会でメディアを賑わす残虐な事件(少年Aの事件や黒人殺害の白人少年の事件に代表される)と共通する背景をもっているのだろうとは思わずにはいられないのです。
こういう子供たちを前にしたとき、私たちは何ができるのか???
そして何よりなぜこういう子供たちが出現してきてしまったのか??
目の前に大問題を突きつけられているのだけれど、答えられない・・・・・。
ただ、最後のシーンで、私はわずかながら希望を感じました。
ネタバレになってもいけないので説明出来ないのが残念ですが・・・。
ちなみにこれはサイコホラーでもなくスプラッター映画でもなく、純粋に親と子の関係の中での「愛着」のありようについて描いた映画だと思います。
まだ見られていない方はぜひ一度ご覧ください
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