障害者施設での虐待を描いたTVドラマ「聖者の行進」
“あいつが出所した。訓練生として学校に来たんだ。”
“どうしてわかったの?”
“願書を見たんだ。”
息子を殺した少年が、少年院を出所して被害者の父親の勤める職業訓練校のクラスに入ってきました。
冒頭の会話はそのことを元妻に伝えにいった時の会話です。
先日の川崎市での少年殺害事件、そしてこれもまた最近起きた少女生き埋め殺害事件。
なんで、これほどまでに少年少女が暴走する事件が相次ぐのでしょうか。
そして私たちはこういう事態にどう対応すれば良いのでしょうか?
映画「息子のまなざし」は、少年事件の被害者遺族と加害少年との出会いを描いた映画です。
淡々としたカメラワークでまるでドキュメンタリー映画のように、登場人物の心情をそのまま映しています。
音楽や無駄なシーンもなく、ただただ彼らの行動と心理的な葛藤を見事に映しきります。
私は以前犯罪被害者支援に関わっていたことがあります。
電話による相談をお受けしたのですが、本当に理不尽な犯罪に巻き込まれて被害にあわれたご本人のお話だけでなく、そのご遺族や関係者の皆さんの持って行き場のない怒りを感じさせていただいたことがありました。
もし自分がこの登場人物の誰か一人であったと仮定すると、一体どんな気持ちになるでしょうか。
息子を殺された母親、父親、そして加害少年。
さらに、そのシーンは全く描かれてはいませんが、殺されてしまった息子。
非常に現代的で、しかも普遍的な「悪」との対峙をテーマにした問題作でしょうね。
“お前が殺したのは私の息子だ”
後半で父親は思わず少年に背後からつぶやいてしまいます。
必死で逃げる少年。
“怖がらなくていい!”
と叫んで後を追う父親。
必死で逃げる少年をついに父親は捕まえ押し倒します。
そして少年の首に父親は手をかけるのですが・・・・・
ストーリーの全てを書くわけには行かないので、この後については皆さんの想像力にお任せするしかありませんが、いずれにしても実に重たく結論が出ない、しかし目を背けていけないテーマであると言えるでしょう。
興味をもたれたなら、どうぞ一度ご覧下さい。
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