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岸井謙児

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岸井謙児(きしいけんじ) / 臨床心理士

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コラム

大切なことは絵本から学んだ <51> 雨はいつか止む・・・ 「空の絵本」

2015年4月26日

テーマ:大切なことは絵本から学んだ

コラムカテゴリ:メンタル・カウンセリング

詩人の長田弘さんと絵本画家の荒井良二さんがコンビを組んだ絵本。
実は、この絵本の前に、もう1冊このお二人が作った絵本があるのです。
その絵本が先日このコーナーで紹介した「森の絵本」
そして、今日はこの「空の絵本」です。
空の絵本
この絵本、表紙を見てもらえばわかるとおり、夏の晴れ渡った青空の絵本か、と思いきや、ページをめくってみるとその正反対。出だしの1ページ目から、うっそうとした森の中の池に雨粒が落ちてきます。
2ページ目にはいると

“だん だだん だんだん 雨はつよくなり”

3ページ目では

“ふきぶり よこなぐり だんだん つよくなってきて”

と、嵐のような光景に、雷まで大きな音を響かせます。

しかしその後、雨はやみ、空気は透き通ってきて 草花の上の水玉のしずくが光り出します。
そして夕闇が訪れ、星たちがきらめき始め、夜空には大きなお月様が・・・・。

そして・・・・・だんだん・・・・眠くなって・・・・・

というストーリーなのです。
わたしはここまで読んできて、あっと気がつきました。
この絵本は、わたしが以前紹介した絵本「あさになったので まどをあけますよ」の前編だ!っと。

「あさになったので まどをあけますよ」は、これと同じく荒井さんの作られた絵本。
私はその時の記事で、
昔息子をなくされたお母さんの哀しみがひらけていく様子を取り上げて、こう書きました。

『“あさになったので まどをあける”までに、どの位の長い真っ暗な夜が続いていたのでしょう。
それでも私は「朝の来ない夜はない」という言葉を信じたいと思います』

この「空の絵本」はきっと、その朝を迎えるまでの暗い夜を描いてくれたのではないか、
こんな風に嵐の風景にさらされても、いずれ雨は止む時がきて、
夕闇が辺りを包んだとしても、そこにはお月様が顔を見せてくれる。

そして時間はかかるかもしれないけれど、深い眠りに落ちることを通して、
いずれ必ず朝は来るのだ、「朝のこない夜はない」のだ、
それまで待ち続けよう、と言ってくれているのではないかと、こころのそこから思ったのでした。

長田さん、荒井さん、こんな素敵な絵本をありがとう。

◇◆◇ 読んでみたいな、こんな絵本
大切なことは絵本から学んだ <50>  あなたの大切なものは何ですか? 「森の絵本」
http://mbp-japan.com/hyogo/officekishii/column/50796/
大切なことは絵本から学んだ ⑧ あさのこないよるはない 「あさになったので まどをあけますよ」
http://mbp-japan.com/hyogo/officekishii/column/44715/
大切なことは絵本から学んだ ③   「いろいろあっても あるき つづける」
http://mbp-japan.com/hyogo/officekishii/column/44308/

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