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コラム
大切なことは絵本から学んだ<48> 大切なことは、黙ってそばに寄り添うこと。絵本「風切る翼」
2015年4月7日
“それは 夕暮れ時の一瞬の出来事だった。若いアネハヅルの群れが、キツネにおそわれたのだ。”
そして気がつくと一羽の幼い鳥が命を失っていたのでした。
“だれの心の中にも後悔がうずまいていた。
あのとき、もっと早く逃げていれば・・・
あのとき。すぐキツネに気がついていれば・・・・”
思いがけない出来事はみんなのこころの隙をついて現れてくるものです。
なぜだ?何が原因なんだ?どうしてそれをふせげなかった?
もしかして自分に原因があるのではないか?
その後悔や持って行き場のない怒りが時として誰かの元に集中してしまうことがあります。
あいつが悪いんだ!あいつがあんなことをしてせいだ!あいつのしたことがそれを招いたんだ!
クルルという名の一羽の鳥がその責任をすべて引き受けさせられることになってしまいます。
こういうことは確かにありますね。自分たちの力ではどうしようもない事態が起きたときに、誰かのせいにせずにはいられない・・・・。まるで自分には責任がなかったということを証明するみたいに・・・・
クルルはまるで仲間殺しの犯人のように扱われ、一人孤立無援の状態に置かれてしまうのでした。
虐待にしてもいじめにしても、被害にあう者に責任はありません。加害者の不満や鬱屈の憂さ晴らしのような状態で苦しめられるのです。
そんな孤立無援状態で人を信じられなくなってしまった被害者に、私たちは何ができるでしょう。
孤立無援で生きる気力もなくしてしまい、エサを求めて飛び立つ仲間たちをむなしく見送るクルルの隣に、一羽のカルルという鳥が降り立ちました。
カルルは何も言わず、
“ただじっととなりにいて、南に渡っていく群れを一緒に見つめていた”
のです。そこからクルルはこころを少しずつ開いていきました。
やはり、私たちにできることは、まず「黙って寄り添い続ける」ことなのでしょう。
そういうことを教えてもらった絵本でした。
♡♡♡ こんな絵本もあります ♡♡♡
大切なことは絵本から学んだ <43> 「ぼくがラーメンをたべているとき」
http://mbp-japan.com/hyogo/officekishii/column/49589/
大切なことは絵本から学んだ 31 からだじゅうが悲しい・・・ 「悲しい本」
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大切なことは絵本から学んだ ④ 「ムーミンのともだち」
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