大切なことは絵本から学んだ ⑧ あさのこないよるはない 「あさになったので まどをあけますよ」
誰にでも 忘れられない出会い、というものはあるものです。
私にとって、この絵本「とべ バッタ」は本当に生きるエネルギーを与えてくれた絵本のひとつです。
まず、この絵本の表紙!大きく力強く描かれたバッタの絵の上に「とべ バッタ」と迫力のある文字!!
見てください、このバッタの後ろ足の力強さ!
これだけで、おぁぉ!!とインパクトを受けずにはおれません。
しかし、バッタ、実は・・・
“ちいさな しげみの なかに バッタが いっぴき かくれすんでいた”
バッタは恐ろしいものたちに、いつ食べられてしまうのか、とびくびくしながら おびえていたのです。
しかし・・・
“しかし、バッタは こんなところで おびえながら いきていくのが、 つくづく いやになった”のです。
そしてバッタは、ある日、決意した!
襲い来るヘビやカマキリ、クモや鳥!危ない!!危機一髪の時に、バッタは飛んだのです。
死に物狂いで!!!
バッタも人間も、一緒ですね。
怖い怖いと怖がっていては、何も成し遂げることはできません。
もし、そこにジャンプできる足や空を飛べる羽がついていないのなら別の方法を考えるしか仕方がありませんが、よく見ると自分にはそれなりの足や羽がついているのです。
ただ、それを使うことに気がつかなかっただけ。
われわれはよく、「どうせおれなんか、私なんか・・・・無理に決まっている」とか「もし失敗したらどうしよう」と先回りして考えてしまうことありますよね。
それって、びくびくしながら 茂みの中で 隠れ住んでいる弱虫バッタと同じかもしれません。
「見る前に跳べ!(leap before you look)」とは有名な言葉ですが、この「とべ バッタ」という絵本そのものだと思いますね。
この絵本は、ストーリーだけでなく、田島征三さんの力強い絵にも引き込まれてしまいます。
最初にも言ったとおり、私はこの絵本の力強さに、こころから支えられた思い出があるのです。
ですから、今この絵本を紹介できることに幸せを感じています。
ぜひ一度手にとって見て下さい。