大切なことは絵本から学んだ ④ 「ムーミンのともだち」
裏をみると、「1981年かがくのとも絵本 第1刷」とあり、そして「2012年1月5日 第32刷」とあります。ということはこの絵本が最初に発行されたのは、いまから30年以上も前のことであり、その後第32刷まで繰り返し発行しされてきた絵本だと言うことです。
そのぐらいのベスト・セラーですが、いつ読んでも考えさせられるものがある絵本ですね。
“わたし
あかちゃんから みると おねえちゃん
おにいちゃんから みると いもうと
おかあさんから みると むすめの みちこ
おとうさんから みても むすめの みちこ ”
から始まって、ここにいる「わたし」が実は関係性の中に生きている存在なのだ、と言うことに気づかされてくれる絵本なのです。
これはなかなか深い、というか哲学的な問題かもしれません。
いったい「わたし」って何!?
サルトルやハイデッガーにつながる問題!?なんてコムズカシイことはやめておきましょう、
どうせ途中でわからなくなるのだから。
それより、ああ、そうか子どもってこうやって自分に対する見方を深めてくるんだ、と気づかせてくれます。
いや、絵本と言ってもバカにできませんよ。
そしてそれが30年以上も発行され続けてきた、という事実に「こどもだまし」ではない絵本のすごさを感じます。
一番最後のフレーズはこうでした。
“わたし
しらないひとから みると だれ?
ほこうしゃてんごく では おおぜいの ひとり”
それでもわたしにとって
「わたし」は
この「わたし」、ひとりしかいないのです。
不思議だなぁ~