大切なことは絵本から学んだ ⑧ あさのこないよるはない 「あさになったので まどをあけますよ」
今回取り上げた「もうこわくない」は虐待を受けこころの傷を負った子供たちへの絵本です。
まだこのブログで紹介していない本も含めると、かなりの数の絵本が虐待やいじめなどを取り上げていることがわかります。
それだけ、子供たちにとっては切迫した、身近な問題なのでしょう。
さて、「もうこわくない」は虐待の中でも性的虐待を取り上げた絵本です。
かわいいこぐまの「ミュー」は、小さくてまだ赤ちゃんと言っても良いぐらいです。そしてミューといつも一緒に遊んでくれるのが、ともだちの「おおかみ」さん。だっこをしてくれたり、楽しく遊んでくれるのだけれど・・・
“きのうは おおきな からだで のしかかって きました”
そしてミューが、やめて!とさけぶと、口をふさぎ
“もし おれのしたことを だれかに しゃべったら おまえの てを ちぎってやるぞ”
と脅すのです。
性的虐待は、全く知らない人よりも、身近な人によって行われることが多いそうです。それだけに、その事実を他の人に話したり、打ち明けたりすることが難しくなります。
この絵本は最後に、こういうようなことがおきたら、すぐにまわりのだれかに相談することが大切だ、と教えてくれます。
この絵本は、子供たちの心の中にそういう勇気を育てる絵本なのです。