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岸井謙児プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

大切なことは絵本から学んだ 34 いじめられてるわたしと 「ボロ」

岸井謙児

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テーマ:大切なことは絵本から学んだ

“夏の はじめの ごごでした
  わたしは、ひるやすみに なくなった うわばきを さがしていました。
    うわばきが なくなったのは 二どめです。”




なくなったうわばきを探してとっくに5時間目のはじまっている学校をあるいていると、わたしはげたばこのすみでうずくまっている犬に出会いました。

そしてわたしはその犬に「ぼろぼろの ボロちゃん」という名前をつけたのです。

わたしのなくなった上履はきょうしつのごみばこから みつかりました。

3日後には死んだおばあちゃんが縫ってくれた手提げ袋がなくなります。
わたしはもう学校に行けなくなってしまいます。

でもボロのことを思い出し、「ボロがわたしを待っている」と思うと、
学校に行かないわけにはいかなくなるのでした。

わたしにとってこころの支えであったボロ。
きっとボロにとってもわたしの存在は大切なものだったのでしょう。
人から大切な存在だと思われるということ。
その体験こそ人の生きていく支えになるのだろうと思います。

まず親からすべての愛情を受け、かけがえのない存在だという自信を受け取ること。
そして友達や仲間との交流を通じて、やはり自分の存在価値を確認すること。

そのようにして人は社会の中で、生きていけるのでしょう。
虐待やいじめはそれとは反対に、相手の存在を否定することにつながります。

この絵本はいじめられている「わたし」といじめられている「ボロ」の交流を通じて、「生きる」とはどういうことか、を教えてくれているような気がします。

ただ・・・お話の最後があまりにも哀しい・・・・・

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岸井謙児
専門家

岸井謙児(臨床心理士)

カウンセリング・オフィス岸井

カウンセリング暦35年。子供から大人まで、うつ・対人関係の悩み・発達障害・不適応・ひきこもりに関わる問題に丁寧に、かつ誠実に対応します。また全国から電話・スカイプなどでも相談を多数受け付けています。

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