大切なことは絵本から学んだ ① こころの「とげとげ」の針は、自分にも突き刺さる 「とげとげ」
“夏の はじめの ごごでした
わたしは、ひるやすみに なくなった うわばきを さがしていました。
うわばきが なくなったのは 二どめです。”
なくなったうわばきを探してとっくに5時間目のはじまっている学校をあるいていると、わたしはげたばこのすみでうずくまっている犬に出会いました。
そしてわたしはその犬に「ぼろぼろの ボロちゃん」という名前をつけたのです。
わたしのなくなった上履はきょうしつのごみばこから みつかりました。
3日後には死んだおばあちゃんが縫ってくれた手提げ袋がなくなります。
わたしはもう学校に行けなくなってしまいます。
でもボロのことを思い出し、「ボロがわたしを待っている」と思うと、
学校に行かないわけにはいかなくなるのでした。
わたしにとってこころの支えであったボロ。
きっとボロにとってもわたしの存在は大切なものだったのでしょう。
人から大切な存在だと思われるということ。
その体験こそ人の生きていく支えになるのだろうと思います。
まず親からすべての愛情を受け、かけがえのない存在だという自信を受け取ること。
そして友達や仲間との交流を通じて、やはり自分の存在価値を確認すること。
そのようにして人は社会の中で、生きていけるのでしょう。
虐待やいじめはそれとは反対に、相手の存在を否定することにつながります。
この絵本はいじめられている「わたし」といじめられている「ボロ」の交流を通じて、「生きる」とはどういうことか、を教えてくれているような気がします。
ただ・・・お話の最後があまりにも哀しい・・・・・