世の中の子育てに奮闘するお母さん方へ贈る、ニュージーランドのステキな詩
近は「イジメ」に関する本ばかり読んでいます。いろいろ勉強になるけれど、中でも興味深かったのが、これ「いじめと探偵」。
私は知らなかったのですが、過日あるテレビ番組でいじめと探偵について取り上げられたのだそうですね。なるほど。
いじめについてはなかなかその実態が隠ぺいされたり、被害者が被害を訴えないことから、表に出てきにくいことは良くわかります。
その中でも特に悪質な内容については被害の傷も深く、対策を練るために私立探偵を利用するケースも増えているということでした。
この本を読んでいると、その実態が良くわかります。
しかし「私立探偵」といっても、映画や小説に出てくるような派手なアクションやトリックめいた行動をするわけではありません。
この本で紹介されている、いじめに対する取り組みを手順を簡単に追うと・・・
なかなか自分からいじめの実態について言い出せない子どもに代わって親が、
「いじめの解決の第1歩は、いつ、どんな変化が子供に現れたのか、そのすべてを記録しレポート作ること」
そしてそれを持って学校に相談すること。
その時学校がちゃんと動けばいじめの6割は解決するということです。
しかしそれでも学校が動かない時は、やはり子ども自身の口からいじめの実態を語ってもらって、
その動かぬ証拠を手に入れること。
いじめの詳細を口の重い子どもから聞き取るために、
まずいじめを受けて居ることを認めてもらうのに3時間。
その後いじめの詳細について聞き取るのに、
普通で約7時間はかかるとのことです。
それを持って、また学校に相談する。
それでもなお学校が動かない時は、いよいよ探偵の特技・力量を持っていじめの証拠を集めはじめます。
その時に、例えば小型の腕時計型カメラを使用して、いじめの実態についての録音・録画を欠かさない。
その実際の様子も語られていますが、
ここらあたりに来ると、なるほど、これはプロの対応だな、と感心させられます。
しかし本当に今の時代、いじめの問題は大問題です。
中には学校レベルでは無理で、警察に訴えた方が良いケースや
残念ながら被害者自身が転校せざるを得ないケースもあるそうですが、
いずれにしても著者の阿部さんは
「被害生徒・児童にとっては、自分が隔離されようが、相手が隔離されようが、自分はいじめをうやむやにしなかったという事実が重要なのだ。
その結果、親も先生も、自分の問題に対して真剣に立ち向かってくれた、そのプロセスが、彼らの自尊心を支える。
そのことは、いじめが収束した後の子どもたちを観察しているとよくわかる」
と言います。
大変参考になる言葉でした。
職業探偵であっても、根本は「困っている子どもを助けたい」「やはりいじめはいけない!」という熱い思いです。
決して商売で金儲けのために、取り組んでいるだけではない、という気持ちが伝わってくる本でした。
興味のある方は ゼヒ!