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コラム
大切なことは絵本から学んだ 31 からだじゅうが悲しい・・・ 「悲しい本」
2014年11月23日
悲しいといってもいろいろな悲しみがあります。
試合に負けた悲しみ、目標が達成できなかったときの悲しみ、恋人に振られたときの悲しみ、理由のない悲しみ・・・・・・・・
しかしその中でたぶん、一番深い悲しみは、愛する人を失ったときの悲しみではないでしょうか。
しかもその失った人が自分の子どもであった時は・・・・・・。
この絵本は愛する子どもを失った男の悲しみを描いた絵本です。
“悲しみがとても大きいときがある。
どこもかしこも悲しい。からだじゅうが悲しい”
“誰にも なにも話したくないときもある。
誰にも。どんな人にも。誰一人。
ひとりで考えたい。
私の悲しみだから。ほかの誰のものでもないのだから。”
親が先に死ぬのは自然の道理ですが、子どもに先立たれ、残された親の悲しみはいかばかりか、と察します。
時々、メディアを通して未成年者同士のいざこざやいじめなどから被害者が亡くなるという記事を目にすることがあります。
あるいは、理不尽な事故に巻き込まれ、被害者となった子どもたち、
どうしようもない病魔に侵され命を奪われた子どもたち。
どうすればその悲しみから抜け出せるのか、
苦しみながらひとり暗闇にたたずみ、
目の前のろうそくを眺める男性の姿で、この絵本は終わります。
しかしこのろうそくの光は、息子のエディが誕生日のケーキに飾ったろうそくでもあったのです。
闇を照らす光は男性の行く手を照らすともし火になってくれるのでしょうか?
それはわかりません。
が、もしかしたら、悲しみの闇の底に至るまで悲しんだ時、
それまで辛い気持ちにつながっていた思い出が、
今度は光となってくれるのかもしれません。
私は、そう思いました。
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