大切なことは絵本から学んだ ① こころの「とげとげ」の針は、自分にも突き刺さる 「とげとげ」
いじめや暴力、犯罪は、例えどんな理由があろうとも、絶対に許されないことです。
傷つけられた側のこころの痛みは、場合によっては一生消えないかもしれません。
しかしいじめる側・犯罪を犯す側の加害者を良く見つめてみると、彼ら・彼女らもこれまで生きて生きた中で、何かしら同様のこころの傷を負わされていることもまま、あります。
だからといって許されることではないのですが、もし加害者側のこころの中で、何かが、誰かが、「もうやめなさい。もう十分でしょう。これ以上やればあなた自身もまた傷つくことになるのですよ」とささやいてくれたなら、もしかしたら、相手を傷つける手が止まるかもしれません。
加害者のこころの救済を描いた絵本
この絵本「だれかがぼくをーころさないで」は、そのような加害者のこころの救済を描いた絵本なのです。
“誰もが小さな憎しみのかけらを 持っている。自分ひとりでは、抱えきれない重苦しい気持ち。
ここに、憎しみを抱えたひとりの少年がいた。
ふと、少年の耳に聞こえてきた言葉。
「ころさないで」
憎しみから、彼を救ったのは・・・・・・・”
今にも相手を刺そうとする少年の耳に、どこからともなく、どこかで聞いたことのあるなつかしい声が聞こえてきたのです。
“ころさないで
ころしちゃだめ”
あなたはかわいい、あなたを愛している
本のうら表紙のそでには、作者の内田麟太郎さんの文章が載せられています。
六才で生みの母を亡くした内田さんは、新しい母に愛されることが薄く
その面当てにヤクザになろうと考えていた時期があったそうです。
そんな荒んだ内田さんがヤクザにならずに絵本の世界にいられたのは、
顔もおぼろげにしか覚えていない生みの母がきっと
「りんちゃん、かわいい」 「りんちゃん、かわいい」
と繰り返してくれたからだと思う、と内田さんは述べています。
・・しかしその言葉が聞こえてこずに,
犯罪を犯してしまった子どもたちがいることも事実・・・・・
「○○」ちゃん、かわいい、○○ちゃん、あいしているよ・・・ということばの力を信じましょう。