大切なことは絵本から学んだ ⑧ あさのこないよるはない 「あさになったので まどをあけますよ」
「そういえば私にもこういう時はあった」
私はこの本を初めて読んだ時、なんだか妙に懐かしい思いがよみがえってきた気がしました。
今日取り上げる絵本はこれ
前回に引き続き、西原理恵子さんの絵本。
映画化もされて有名になってしまいましたが、やはりこの話は絵本で読むほうがいいですよ。
いけちゃんの存在は、この表紙の通りでなければいけません。
CGではだめ。
あなたにも「自分といつも一緒にいる存在」を意識した年齢はありませんでしたか?
私の場合、中学生になるころまで自分にはもう一人の自分が寄り添っていることがごく自然でした。
だからいつも気が付くと、そのもう一人の自分と会話をしているのです。
最近話題の多重人格などではありません。
自分と自分が向き合っているのです。
こういうのを自我体験、とでもいうのでしょうか。
ただしもう一人の自分にはっきり気が付く前は、なんとなく自分の中での独り言体験みたいな感じです。
ぶつぶつと口の中で呟いているのですが、それが会話になっているときもなっていない時もあります。
でもそういうことができるだけで、なんとなく安心できるのですよ。
なんて言うんでしょうか、魂とでも言うのかな?
わからないけれど、確かに何かが自分に寄り添っていて、ある時は自分をなぐさめてくれたり、ある時は叱咤激励してくれる。
そういう存在ですね。
イマージナリー・フレンドなんていう言葉もありますが、フレンドという前の存在なのです。
う~ん、上手く表現できないのがもどかしい。
この絵本の素晴らしいところは、最後にとても感動的なストーリーを紡ぎあげてくれているところです。
詳しくは言えませんが、自然に涙が出てきてしまうのですよ・・・・・。
絵本というもので、これほどまでに人生の深い物語を語ることができるのだ、と本当に感動しました。
もし興味を持たれたら、ぜひ一度絵本を手に取ってみて下さい。
きっとあなたの宝物になる絵本の一冊だと思います。