大切なことは絵本から学んだ ⑧ あさのこないよるはない 「あさになったので まどをあけますよ」
今日の絵本はこれ
“わたし、このごろおもうねん
わたしには「ええところ」なんて
ひとつもないって。”
そんなことないよ、って思わず言いたくなってしまうのですが、
じゃぁ、具体的にどんなところが「ええところ?」って聞かれると
思わず、考えてしまいますね。
黙って自分で自分に問いかけた時、
すぐに答えが出てくる人はあまりいないのでは?
「やさしいところ」とか「誠実なところ」とか言うのは簡単ですが、
自分で自分に「本当にそうか?」って問いかけた時、
「いつでもそんなわけでもないな」、「あの人にはやさしいけど、こいつには冷たいし」とか
「あの時ウソついたし、誠実って言うのも当たってないな」とかいろいろ考えてしまいます。
昔読んで、とっても気にいった探偵小説の中で、
あるシニカルな探偵がクライエントの女性にこう言われるシーンがあります。
(うろおぼえですが・・・)
女性:あなたは本当に親切な人ですね
探偵:それは、時と場合と相手によります
な~るほど、これはそのとおりだ、と妙に納得したことがあります。
そんなもんでしょうね、現実は。
まぁ、こんな中年オヤジの「醒めた、たわごと」に付き合っても仕方がない、
「あなたにも、もっと純粋な頃があったでしょうに・・・」、とつぶやかれているご同輩には、
ぜひこの絵本をお勧めします。
あ~そういえば、おれにも、わたしにも、こういう感受性の豊かな頃があったんだ、と思わず甘酸っぱい気持ちが沸いてくる絵本です。ふるしょうさんの絵も、かわゆい!