フィリピンでの事業活動のオフの時間の出来事

松本尚典

松本尚典

テーマ:海外進出 コンサル


日本から、フィリピンのマカティ市へ


2025年2月11日から、約1週間、クライアントの海外進出の現地業務で、フィリピンのマカティ市に滞在しています。

到着日だった2月11日。

ニノアアキノ空港から、スラム街が広がるパサイ市を、grabで走り抜け、マカティ市に入ると、そこは、フリピンの最富裕層エリア。それまでの今にも壊れそうな建物が立ち並ぶスラムとは、打って変わり、アラヤ財閥が築き上げた高層ビルが林立するエリアに入ります。

道は整備され、歩行者の姿は、先進国とまったく変わらない姿に、瞬時に変貌します。
このマカティ市と、隣の富裕層エリアのBGCが、今回の僕のフィリピンでのビジネス活動のステージです。

高層ビルホテルの前にある、セブンイレブンにて


この日、僕は、滞在する高層ホテルにチェックインすると、今回同行している、クライアントの御担当の方や、僕のビジネスを一緒にサポートしていただく専門チームの方々ともに、1週間の、ともに行動する活動の成功を期して、ホテルの最上階のプールサイドのレンストランで、夕食を共にしました。

City Garden Grand Hotel

部屋に帰った後、僕はロビー階におりて、ふらりと、ホテルの向かいにある、セブンイレブンに、滞在中のお水の買い出しに出かけました。

僕が店に入ると、セブンイレブンの店のエントランスの階段に座っていた、汚い服を着た、可愛らしい4~5歳の女の子が、僕のあとについて、店に入ってきました。僕の後ろにぴったりついて、離れません。

僕が、お水のペットボトルを買いにレジに行こうとすると、25ペソ(日本円で約80円)のパンを僕のところに持ってきて、じっと僕を見つめています。

ああ、この子は、今日の夕食が食べられないんだ、と、とっさに僕は思いました。

僕はそのパンを買い、僕が買おうとした水の一本とともに、その子に渡してあげました。その子は、胸で十字架を切り、僕に手を合わせて拝んで、どこかへ去ってゆきました。

高層ホテルに泊まり、その最上階の4000ペソの夕食を食べる僕と、25ペソのパンで、一晩を生き延びる女の子の、それが、一瞬の出会いと別れでした。

高層ビルの立ち並ぶ、この街は、今、東南アジアで最も高い成長率を誇る、フィリピンの経済成長の原動力となっています。しかし、一方で、物価はあがり、モノの価格は、日本と遜色がなくなっています。BOP層は、その経済成長に取り残され、国が成長すれば成長するほど、インフレが進んで、貧しくなります。

経済成長に沸く、この国の、これが過酷な現実の姿です。

この国に、日本の外資として進出する僕たちは、この国に投資をし、企業を創り、雇用を創出して、この女の子の未来を、中間層の幸せな家庭を持てるようにするためにも、働かなければなりません。

そう、感じた、夕暮れのひと時でした。

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松本尚典
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松本尚典(経営コンサルタント)

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