国際ビジネス小説「頂にのびる山路」 転職編 第5話 「構想と陰謀」をリライトしました
目次
1、経営は、ストーリーを編み出せるチカラと、財務数字で立案するチカラ
2、経営は、ストーリーを編み出して、ヒトを組織し、カネを投資するもの
1、経営は、ストーリーを編み出せるチカラと、財務数字で立案するチカラ
「経営は、国語で考え、算数で検証するもの」
これは、イノベーションを進めて、事業を創造するための基本的なフレームワークです。
2、経営は、ストーリーを編み出して、ヒトを組織し、カネを投資するもの
事業を生み出す「卵」は、消費者の生活や企業活動の中のニーズへの気づきから始まります。
この気づきの中から、そのニーズを満たすソリューションが想像されてきます。そして、そのソリューションが、ビジネスモデル化され、そのビジネスモデルを進化と深化させ続けて、次第に綿密なカタチが出来上がってきます。
そのビジネスモデルを実行に移すため、資金を調達し、ヒトを組織し、稼働のためのモノや設備を揃えます。資金が、ヒトとモノに姿を変えて、稼働を開始し、商品・サービスが生み出されてきます。
そして、マーケティング活動が稼働し、販売が成立して、売上があがってきます。そして、生産と販売の回転がはじまり、収益があがって利益があがります。
このような事業化が、まず、国語のストーリーとして、リアルに経営者のアタマの中に描かれ、それが、筋道がたった形となり、そのストーリーに従って、経営者や指揮下にある組織が、そのストーリーに従って動くのが、事業活動です。
ストーリーは、適宜修正をされてゆきますが、修正を繰り返しながら、進化と深化を続けて、強化されてゆきます。
これが経営におけるイノベーションの具体的な姿なのです。
3、ストーリーだけで突っ走る経営者は、失敗する
このように、経営戦略はストーリーから始まります。
しかし、このストーリーだけで走る経営者は、必ず躓きます。経営は、このようなストーリーを常に、財務数字、つまり「算数」で検証をしなければなりません。経営者は、戦略を立案し、実行に移す能力が重要ですが、一方で、その戦略を、財務数字で検証を続ける能力も、同時に持ち合わせなければなりません。
この財務数字の検証には、税務署に提出するための財務会計とは別に、経営の管理をするための会計、つまり管理会計の情報が不可欠です。財務会計は、会社単位で、決算後の税務申告にあわせて入力され、とりまとめられます。財務の入力を、税理士事務所に任せ、結果、入力結果を見るのに、数か月かかるような会社がありますが、とてもそのような遅い財務の把握では、算数による検証などありえません。
しかも、検証をするためには、収益と費用が、事業別・部門別に管理できなければならず、税務申告をするためだけに入力をするのでは、とても、そのような把握ができるものにはなりません。
僕は、自分が経営する会社の財務会計は、当月月末には、統合経理部に完全に入力を終わらせる体制をとったうえで、その財務情報を基礎に、自分自身の独自の方法で、管理会計情報を自分の手で、整理しています。これによって、ストーリーによって展開する事業を、数字面で、完全にリアルタイムで把握し、それによって、機動的に戦略を変更修正するようにしています。
こうすることによって、事業の戦略や現場の活動は、即座に修正が可能となり、失敗をすることがありません。
このような体制を創らずして、ストーリーだけで走ると、事業は、大失敗を引き起こすのです。
4、ストーリ-なき、数字論の経営者は、リスクをテイクできない
反対に、数字に非常に強い経営者が陥りがちなのは、ストーリーがなく、売上追及や利益追求の数字論だけで経営を進めるという事態です。これは、その経営者の周辺や外から見ると、売上や利益の至上主義にみえてしまいます。
当該経営者は、数字の達成を目標にしているので、それなりにやりがいは感じるのですが、その部下は、一体、何のために仕事をしているのかという疎外感にとらわれがちで、組織が脆くなります。その結果、生産性を落とし、逆回転をはじめることになります。
人間という生き物は、機械ではありません。何のために生きるのか、何のために仕事をするのか、という問いを常に立てて、その答えを求めるのが、正常な人間です。
ストーリーは、人間にその答えを提供する機能があります。数字だけの目標では、その答えにはならないのです。
したがって、数字さえあがればよいという算数だけの経営もまた、国語だけの経営と同様に、うまく機能しません。
5、国語と算数 自分が弱ければ、そこに強いブレインを右腕にせよ
このように、経営者は、経営戦略とその実行というストーリーと、その数字的検証という2つの活動を同時に行っていかなければなりません。これは、全く別の能力であり、その双方を得意にしている経営者は、なかなかいません。
そこで、自分がそのどちらかが弱いという自覚を持った場合、それを補うため、自分の弱い部分に強いブレインを右腕にして、経営の舵をとるのが、賢い経営者の姿勢です。
僕は、自分のクライアントである経営者の得意分野に応じて、その不得意な分野を補うコンサルティングを行うようにしています。
経営戦略や事業の構想に弱い経営者、組織のマネジメントに弱い経営者、そして財務や税務・管理会計に弱い経営者。
クライアントが強い分野をあえて、支援するのではなく、弱い分野をテコ入れするのが、僕の仕事です。そのため、どの分野にテコ入れするかは、その経営者によって変えています。
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このように、うまく他人の力を使うことによって。経営者は、自分がすべてを行わなくても、バランスのよい経営ができるのです。
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