フィリピン進出・マカティ市場調査レポート Vol.1|海外飲食出店で見るべき「物価・交通・商圏」を現地調査
目次
東京都心のオフィス市場は、「賃料上昇」と「管理品質」がビル経営を左右する時代へ
ビルオーナーの利益を左右するのは、「管理費の金額」だけではない
「安いビル管理」ではなく、「ビルの総保有コストを下げる管理」を考える
東京都心のオフィス市場は、「賃料上昇」と「管理品質」がビル経営を左右する時代へ
東京都心では、大規模な都市開発と既存ビルの再開発・リニューアルが続いています。
2023年に東京ミッドタウン八重洲や麻布台ヒルズが開業した後も、東京駅周辺、大手町、丸の内、有楽町、虎ノ門、赤坂、品川などでは、新築・再開発・既存ビルの大規模改修が進められています。
さらに東京駅日本橋口周辺では、TOKYO TORCHの中核となるTorch Towerの開業も予定されており、東京都心のオフィス市場では、今後も新築・築浅ビルと既存ビルがテナントから選ばれるために競争していくことになります。
一方、足元の東京都心のオフィス市場では、空室率が低い水準にあり、賃料も上昇しています。
CBREが公表している2026年第2四半期のオフィスマーケットデータでは、東京主要5区のオールグレードの空室率は1.0%。想定成約賃料は前年同期比で11.8%上昇しています。
東京都心でビルを保有するオーナーにとっては、賃料収入を確保しやすい市場環境の一つといえます。
しかし、ここでビルオーナーが注意しなければならないことがあります。
賃料が上昇しても、清掃、設備管理、警備、修繕、人件費、資材費など、ビルを維持するためのコストまで上昇すれば、最終的にオーナーの手元に残る収益が同じ割合で増えるとは限らないからです。
ビル経営で重要なのは、「いくらの賃料で貸せるか」だけではありません。
賃料収入から、管理費、維持費、修繕費、その他の運営費を差し引いた後に、どれだけの収益を残すことができるか。
そして、その収益を長期間にわたって維持しながら、建物の資産価値を守れるか。
これこそが、不動産を保有する経営者にとって重要な視点です。
特に既存ビルでは、賃料を上げることだけではなく、管理コストを適正化し、テナントが長く入居したいと思う環境を維持することが、収益性を高めるうえで重要になります。
URVグローバルグループの不動産総合事業では、この考え方を重視し、不動産管財事業については東京都心部を中心としたエリア戦略をとっています。
単に建物を「管理する」のではなく、ビルオーナーの経営という視点から、建物の収益性と資産価値を守る管理を目指しています。
ビルオーナーの利益を左右するのは、「管理費の金額」だけではない
ビル経営では、どうしても賃料収入に目が向きます。
しかし、長期的な収益性を左右するのは、収入だけではありません。
日々積み重なる管理コストも、非常に重要です。
清掃。
設備管理。
警備。
消防設備などの法定点検。
エレベーターなどの保守。
消耗品。
小規模修繕。
専門事業者への委託費。
管理会社への管理報酬。
一つひとつを見ると、それほど大きな金額ではないように見えるものでも、毎月、毎年、長期間にわたって発生します。
仮に年間100万円のコストを、管理品質を落とさず合理的に削減できれば、単純計算では10年間で1,000万円になります。
ビルを20年、30年と保有する場合には、日々の管理コストの違いが、長期的な不動産収益に大きく影響します。
一方で、単純に管理費を削ればよいわけではありません。
価格の安さだけを基準に清掃頻度を下げれば、共用部分の印象が悪化するかもしれません。
設備管理を過度に削れば、小さな異常の発見が遅れ、結果として大きな修繕につながる可能性があります。
テナントへの対応品質が低下すれば、退去につながることも考えられます。
一件のテナントが退去すれば、単に数か月分の賃料を失うだけではありません。
原状回復。
テナント募集。
仲介費用。
フリーレント。
新しい入居者が決まるまでの空室期間。
さまざまなコストが発生する可能性があります。
したがって、ビルオーナーが考えるべきなのは、
「管理会社を安い会社に変えること」
ではありません。
重要なのは、
「必要な管理品質を維持しながら、建物全体の管理コストを最適化すること」
です。
この二つは、似ているようで、まったく異なる考え方です。
ビル管理費は、どこから見直すべきなのか?
ビル管理費の見直しを行う場合、最初に行うべきことは、現在支払っている管理費を項目ごとに分解することです。
清掃費。
設備管理費。
消防設備などの法定点検費。
エレベーターなどの設備保守費。
警備費。
消耗品費。
定期的な修繕費。
そして管理会社に支払っている管理報酬。
こうした費用を一括して「ビル管理費」として見るのではなく、一つひとつについて、
何のための費用なのか。
どのような業務が行われているのか。
どの程度の頻度が必要なのか。
現在の価格は妥当なのか。
ほかの業務と重複していないか。
というところまで確認することが重要です。
長期間、同じ管理会社に委託しているビルの場合、契約を開始した時点では合理的だった管理仕様が、そのまま長年継続しているケースもあります。
設備が更新されている。
テナント構成が変わっている。
建物の使われ方が変化している。
新しい設備が追加されている。
それにもかかわらず、管理仕様だけが以前のままということもあります。
逆に、築年数が進んだことで、以前より管理や点検を厚くする必要が生じている場合もあります。
だからこそ、管理費の見直しとは、単なる値下げ交渉ではありません。
建物の現在の状態と利用状況に合わせて、管理業務そのものを再設計することです。
そのため、ビル管理を見直す場合には、
「何を削るか」
ではなく、
「今の建物に、本当に必要な管理は何か」
というところから検証する必要があります。
「安いビル管理」ではなく、「ビルの総保有コストを下げる管理」を考える
私が不動産事業の経営で重視しているのは、単年度の支出額だけではありません。
建物を長期間保有する場合には、日々の管理費だけでなく、設備の更新費用、修繕費用、テナント退去による空室損失、原状回復、募集費用など、長期的に発生するコストを総合して考える必要があります。
目の前の管理費を年間50万円削減した結果、設備の不具合を見逃し、数年後に数百万円の修繕が必要になれば、それは合理的なコスト削減とはいえません。
反対に、以前から続いている管理仕様の中に、現在の建物には必要性が低くなった業務が含まれているのであれば、それを見直す必要があります。
例えば、日常的な設備点検によって故障の兆候を早期に発見できれば、大規模な設備トラブルを防げる可能性があります。
共用部分の清掃品質を維持することができれば、テナントや来訪者が受ける建物の印象を良好に保つことにつながります。
テナントから寄せられる小さな不満に迅速に対応することができれば、テナントとの関係維持にもつながります。
つまり、優れたビル管理とは、
「支出を増やす管理」
でも、
「ひたすら支出を削る管理」
でもありません。
必要なところには適切に費用をかけ、無駄な固定費や過剰な仕様を見直し、建物を長く健全に維持する。
その結果として、ビルオーナーが長期的に負担する総コストを抑え、賃貸収益と資産価値を守る。
これが、不動産管財に求められる本来の役割だと、私は考えています。
不動産は、購入した時点で経営が終わる資産ではありません。
保有している期間の管理によって、収益性も、建物の状態も、将来の資産価値も変わります。
だからこそ、不動産管理は「経費」だけではなく、不動産経営の重要な機能として考える必要があります。
新築ビルが増えるほど、既存ビルには「管理品質」が重要になる
東京都心で新築ビルや再開発ビルの供給が続くことは、既存ビルのオーナーにとって、必ずしも追い風だけではありません。
新しいビルには、最新の設備、高い省エネルギー性能、充実した共用施設、セキュリティ、快適なオフィス環境などが導入されます。
既存ビルが、これらの新築ビルとすべて同じ設備を備えることは現実的ではありません。
また、設備投資をすれば、それだけでテナントから選ばれるとも限りません。
だからこそ、既存ビルでは、日常的な管理品質が重要になります。
建物を清潔に維持すること。
設備の不具合を減らすこと。
不具合が発生したときに迅速に対応すること。
テナントからの要望を放置しないこと。
共用部分の印象を良好に保つこと。
必要な修繕を、適切な時期に実施すること。
こうした一つひとつの管理が、テナントの建物に対する評価を形成します。
築年数そのものを変えることはできません。
しかし、
「古いけれど、きちんと管理されている」
「管理会社の対応が速い」
「共用部分がいつも清潔である」
という評価をつくることはできます。
そして、その積み重ねがテナントの満足度を高め、長期入居につながれば、空室期間やテナント入れ替えに伴うコストを抑えることにもつながります。
既存ビルの競争力は、建物の新しさだけで決まるものではありません。
管理品質も、ビルの商品力を構成する重要な要素なのです。
ビル管理会社を見直すことは、ビル経営そのものを見直すことである
ビルオーナーの中には、管理会社との契約について、
「特に問題が起きていないから、このままでよい」
と考えている方も少なくありません。
もちろん、長年にわたり良好な管理を行っている管理会社との関係を、無理に変更する必要はありません。
管理会社の変更そのものを目的にすべきではないと私は考えています。
しかし、管理契約は、一度契約すれば永久に同じ条件でよいものでもありません。
物価。
人件費。
設備。
テナント構成。
建物の築年数。
周辺賃料。
競合ビルの状況。
ビルを取り巻く経営環境は変化します。
そのため、一定期間ごとに管理仕様と費用を検証することは、不動産経営における重要な経営管理の一つです。
管理会社を変更するかどうかを考える前に、まず、
現在の管理費は妥当なのか。
管理内容と請求金額が対応しているか。
不要な業務は含まれていないか。
逆に、不足している管理はないか。
修繕の提案内容と金額を適切に評価できているか。
清掃、設備、消防、警備などの専門事業者は適切に管理されているか。
建物の状態について、オーナーが判断できる報告を受けているか。
テナント満足度を高める余地はないか。
という点を棚卸しすることをお勧めします。
そして、その結果として、現在の管理会社が最適なのであれば、その関係を継続すればよいのです。
改善が必要なのであれば、管理仕様を変える。
専門事業者を見直す。
修繕方法を見直す。
そして、必要であれば管理会社そのものを見直す。
この順序で考えることが重要です。
ビル管理会社の見直しとは、管理会社を替えることではありません。
自分が保有する不動産を、今後どのように管理し、どのように収益を残し、どのように資産価値を守るかを見直すことです。
URVグローバルグループの不動産管財プロジェクト
URVグローバルグループの不動産管財プロジェクトでは、不動産オーナーが保有する資産価値を守ることを目的として、日々の清掃、警備、設備維持管理、修繕など、不動産を維持するための実務に取り組んでいます。
そして、私たちが重視しているのは、管理会社側の都合ではなく、不動産を所有するオーナー側から管理を見ることです。
私たちが目指しているのは、単純な価格競争による「安い管理」ではありません。
建物の状態を確認する。
現在の管理内容を整理する。
外部委託している専門事業者を確認する。
管理コストを確認する。
必要な修繕の優先順位を整理する。
オーナーが建物の状況を把握できるようにする。
そのうえで、必要な管理品質を確保しながら、継続的な管理コストの適正化を考えることです。
特に東京都心では、人件費、資材価格、設備維持費など、ビルを保有し続けるためのコストを無視することはできません。
だからこそ、これまでの管理方法をそのまま続けるのではなく、現在の建物の状態と、これからの保有方針に合わせて、管理仕様と管理コストを見直していく必要があります。
「現在支払っているビル管理費は妥当なのだろうか」
「長年同じ管理会社に任せており、管理内容がよくわからなくなっている」
「管理費を見直したいが、管理品質は落としたくない」
「清掃、設備、消防、警備、修繕など、複数の業者を整理したい」
「提示された修繕見積が妥当なのか判断できない」
「既存ビルの競争力を維持し、テナントに長く入居してもらいたい」
「目先の管理費だけではなく、10年、20年先の資産価値まで考えて管理したい」
このような課題をお持ちのビルオーナー様は、URVグローバルグループの不動産管財プロジェクトをご覧ください。
現在の管理会社と契約している場合でも、現在の管理内容や管理費、建物の状況を確認したうえで、今後の管理体制を検討することができます。
ビル管理は、単なる建物の維持作業ではありません。
毎日の小さな管理の積み重ねが、10年後、20年後のビルの収益力と資産価値に影響します。
不動産を「所有する」だけではなく、経営資産として長く守り、安定して収益を生み続けるために。
一度、自社ビルの管理品質、管理仕様、管理コストを、オーナーの視点から見直してみてはいかがでしょうか。


