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松本尚典

年商5億円の壁を突破したい社長のための経営コンサルタント

松本尚典(まつもとよしのり) / 経営コンサルタント

URVグローバルグループ 

コラム

独立は、年齢があがると、どんどんしにくくなる理由?

2021年6月4日 公開 / 2022年9月20日更新

テーマ:副業 起業 独立

コラムカテゴリ:ビジネス

コラムキーワード: 副業 おすすめ会社設立 相談退職 手続き

独立や起業は、年齢があがると、どんどんしにくくなる


経営コンサルタントという仕事にライフワークとして半生を取組み、そして、40代半ばから、独立をして、現在、数社の企業を経営している僕が、独立を目指す方に、どうしても、発信しておきたいことがあります。

それは、独立は、年齢があがると、どんどんしにくくなる、という現実です。

今回のコラムは、僕自身のことから、書き始めます。

大学を卒業し、現在はメガバンクとなっている大手銀行に、僕は23歳の新卒で入行しました。そこから、その銀行のシンクタンクに出向したのがきっかけで、僕は、経営コンサルタントの道に入ることになりました。

その後、アメリカの大学院へ銀行から社費留学をしたのがきっかけで、アメリカに渡りました。MBA取得後、ニューヨークで、経営コンサルタントとして、仕事を11年間行いました。日本の東京と、アメリカのニューヨークで、様々な規模の企業の経営者を支援しつづけて、早、30年以上がたちました。

この間、経営コンサルタントとして、他人様の指導をしているだけでは、自分自身の事業家としての夢を果たせないということで、僕が、今のURVグローバルグループのホールディングス企業である、株式会社URVプランニングサポーターズを、大手企業の役員をやりながら、最初の会社を起業したのが、47歳のときでした。

そして、49歳で、この企業の取締役を退任して、完全に独立をしたというのが、僕の独立の仕方です。

ですから、僕自身、決して、独立が早いほうではありません。アメリカで11年間、外資系のコンサルタントという激務についていて、独立どころではなく、独立の準備を具体的に進め始めたのが、日本に帰国した、41歳のときだったということも、独立が遅くなった理由です。

ただ、独立し、自分の会社を、いくつも経営する立場にたってみて、つくづく思うことがあります。

それは、
「独立は、年齢があがると、どんどん、しにくくなる性格がある」
ということです。

僕の場合、40代後半での独立でしたので、実に、独立をすると心に決めてから、完全に独立を果たすまで、その準備に9年間の歳月を要しました。経営コンサルタントとして、経営のあらゆる知識に精通し、多くの上場企業や非上場の大手企業の役員を経験していた僕ですので、知識や経験が足りなかったわけではありません。もし、僕が、30代で独立を志していたならば、おそらく、もっと早く独立できたのではないかと思います。

何故、独立や起業は年齢があがるとしにくくなるのか?


何故、独立は、年齢があがるとしにくくなるのでしょうか?
それは、「年齢があがると、ヒトは、守るものがどんどん増えるから」です。

性別を問わず、独立は、結婚をしていないときのほうが、結婚をしてからよりも、ずっと、しやすいのです。
子供がいないときのほうが、生まれてからよりも、ずっとしやすいのです。

更に、収入が高くなればなるほど、独立はしにくくなります。若い方は、年齢があがって、収入が増えるほうが、資金を貯められるから、独立しやすいと考えるかもしれませんが、それは全く逆です。

日本でも、アメリカでも、収入が高ければ、それだけ、収入に対するコストもあがり、おカネを貯めることはできにくいのです。コストというのは、生活上のコストだけでなく、年金・保険・税などの社会的なコストも含みます。累進課税をとる先進国では、所得は、ある一定水準を超えると、格段にコストが増える仕組みになっており、収入が高いということが、おカネが貯まるということを意味しません。

更に、社会的な地位をえたヒトのほうが、まだ地位をえていないヒトよりも、独立しにくいのです。責任も重くなり、おいそれとは、仕事を離れられません。また、後で記載するように、地位があがればあがるほど、独立の準備や、独立を睨んだ副業はできにくくなります。

会社というところは、責任が重いヒトほど、離してくれません。若ければ、独立するために退職すると言っても、せいぜい、ちょっと遺留される程度ですが、役員が独立をするとなれば、それは、会社側は身構えます。下手をすれば、大企業も、役員の独立によって、屋台骨を脅かされる事態になりかねませんので、相当に、注意をして、退職をしないと、攻撃される可能性もあります。独立を考えていることは、絶対に、会社に悟られてはならないのです(仮に、独立を会社が歓迎してくれているとしたら、それは、会社に「あいつは辞めて、よかった」と思われている証拠だと思ったほうがいいでしょう。)。

僕も、日本帰国後、アメリカのニューヨークの外資系経営コンサルタントであった実績を買われ、いくつかの大企業で、取締役や、事業部長として迎えられました。そうなると、社会的な地位も高く、名刺の威力も高くなります。多くの部下を持ち、一流の都心の高層ビルに、どっかりと、席を持っていますし、来客を迎え入れるのも、はるか眼下に東京を見渡せる、素敵な会議室です。

一方、自分の会社を作って、独立すれば、その瞬間から、単なる零細企業の社長でしかないわけです。レンタルオフィスの会議室に来客を迎えても、大企業の役員だったときのように、誰も感心などしてくれないわけです。単なる、零細企業の「おやじ」としか、外部は観てくれなくなります。それが、独立の本当の姿です。

つまり、偉くなってしまうと、独立というのは、本当にしにくくなるのです。

今、独立や起業に向かって準備をはじめられない人は・・・


だから、僕は、独立を相談してくる、若いサラリーマンの方々に対して、いつも、こう申しあげます。

「どこかの、大学受験の予備校の先生の台詞と同じです。

今、でしょ! 今!

今から、独立に向かって、歩き出すことができないなら、あなたは、今後、独立するのが、どんどん難しくなると思ったほうがいいです。

あなたが、独立ができるほどの実力があるとすれば、あなたは、サラリーマンとしても成功するでしょうし、収入もあがる(サラリーマンとして、成功して収入があげられないヒトであれば、独立は絶対、できないです。サラリーマンでの成功よりも、独立して成功するのは、格段、難しいのです。但し、職場や職場の上司に恵まれずにいる方を除きます。)。

結婚もするでしょうし、子供もできます。

だから、経験が少なかろうが、収入が少なかろうが、貯蓄が少なかろうが、今から準備をはじめるべきなんです。もし、今から、すぐ準備をはじめられないとしたら、それは、あなたは、独立に向いていないと思ったほうがよいです。」

独立や起業に向かって歩き出すことと、副業で稼ぐこととは違う


しかし、僕が上記のように申し上げたからと言って、今すぐ、職場を辞めて独立をすべきと申し上げているのではありません。

独立に向かって歩き出すべき、と申し上げているのです。

そして、独立に向かって歩き出すことと、副業をすることは、イコールではありません。副業とは、単に、本業以外で収入をえることです。殆どの方の副業とは、「お小遣い稼ぎ」の領域を出ていません。それでは、「独立の準備」にはなりません。お小遣い程度の収入を稼ぐ先に、独立など、ありません。

一方で、仮に収入が伴わなくても、独立の準備になっていることはあります。

ここで、僕が過去に行った独立の準備について、お話しましょう。

松本がはじめて明かす、URVグローバルグループ創業秘話


僕の場合、23歳の新卒のころから、企業の経営者の経営コンサルタントという「技」を磨き続けてきました。従って、41歳でアメリカから帰国をした時から、事業のスタートでは、この経営コンサルタントという「技」を活かすということになると思っていました。

経営コンサルタントという職業は、経営(マネジメント)・組織管理・マーケティング・財務会計・税務・企業法務・労務管理・情報システム・金融など、極めて広範囲のスキルを総動員して、経営者が、日々、ぶつかる課題を解決する支援をする仕事です。中小企業診断士の試験に受かったとか、大学院でMBAのスキルを学んだだけで、すぐに、できるような、仕事ではありません。

ある意味、僕は、大学の学部(僕は、中央大学で法律を専攻していました)時代から、40代まで、勉強を続け、それを基に、あらゆる分野の企業のコンサルを経験して、ようやく、一人前の領域に至るほど、勉強と実務経験を積んできました。

この技術を、独立の最初のビジネスとして使わない手はないわけです。

しかし、最大の問題がありました。僕自身、41歳で独立を意識した時には、プロの経営コンサルタントでしたから、本業でも、この仕事を遂行することを、会社から求められていたのです。もし、これで、独立の準備のため、本業以外に、副業でクライアントをとって、経営コンサルタントをはじめてしまうと、完全に、本業の会社に対する競合行為になってしまいます。

そんなことを、副業を承諾する会社でも、本業の会社が承認をするはずもありませんし、隠れて、これを行った場合、完全に違法な行為になってしまいます。副業であれ、独立の準備であれ、本業の仕事とかぶる仕事をしてしまうと、倫理的にも、法的にもアウトです。

そのため、僕自身、独立の準備は、商売をやらず、もっぱら、「人脈の拡大」に努めました。
僕の場合、40歳まで、アメリカに本拠地を置いていましたので、独立のための人脈に、圧倒的に弱いと、分析したのです。

どんなに、技術があっても、お客様がいなければ、独立はできません。勿論、経営コンサルタントという仕事は、広告を出したからと言って、お客様がいらっしゃる仕事ではないのです。人脈が、本当に重要な仕事です。

幸い、当時の僕には、大企業の「役員」の名刺がありました。これを活用して、僕は、独立の準備を開始しました。会社の関係の、外部の取引先の方は勿論、外部の交流会や、ヒトを通してのご紹介などを利用し、本業の仕事に関係していない方にも、積極的にお会いしました。そして、会った人脈を維持するため、個人で、営業色が一切ない、経営情報発信ためのメルマガを発行し始めました。

会社関係の方にも、無料でメルマガを送ること自体、まったく、倫理的にも法的にも問題ありません。こうして、僕は、41歳から47歳まで、20代後半から40歳まで海外で仕事をしていた僕の最大の弱点だった人脈の拡張と、維持に注力したのです。そして、この方々に、経営情報を発信するという形で、役立つ貢献を続けました。

この間、副業的な収入は一円もえていませんでしたが、この活動は、人脈拡大という形で、その後の、僕の独立の武器になりました。今でも、このときに得た人脈である中小企業の社長様が、数名、僕のクライアントとして、継続的に、僕の安定的な売上げを頂戴するお客様として、続いております。

転機が訪れたのは、47歳の時でした。

この時、ある企業グループの、海外進出コンサルティング会社の取締役を拝命していた僕は、そのグループオーナーから、「M&Aのバイイングの責任者として、ホールディングス会社の経営企画本部に部長職として入って貰えないか」との打診をいただきました。

経営コンサルタントという職業から、本業で解放されたのです。

これであれば、本業と独立の準備が競合することはありません。ただ、この企業グループに、真っ向から、「副業をさせてほしい」「独立の準備をさせてほしい」と言っても、警戒されるだけです。

そこで、株式会社URVプランニングサポーターズという経営支援事業を本業とする会社を設立し、仕事から隠退して、年金生活をしていた父親に、代表取締役になってもらいました。僕が、100%株式を所有する会社ではありますが、僕は役員にも、社員にもなっていません。報酬も、この会社から一円も得ません。こうすれば、法的には、まったく、僕は、事業と関係ありませんから、副業の承認をえる必要はありません。

こうして、僕は、この会社で、報酬をとらない経営コンサルタント業を開業しました。会社が終わった夜、土日に、僕は、経営コンサルタントとして、この会社の仕事を続けました。

会社の利益は、独立の資金として、利益剰余金として内部留保しました。つまりは、株主である僕の貯金箱として、会社を位置づけたのです。

初年度は、売上が400万円程度でしたが、翌年は、1000万円を超えました。仕入れがゼロのサービス業の会社ですから、元手はゼロで、しかも、売上は、ほぼ、利益となります。5年間、獲得・維持した人脈から、お客様が獲得でき、安定した売り上げが大きくなっていきました。

こうして、僕は、株式会社URVプランニングサポーターズ開業から2年後、会社を辞めて独立しました。

会社を退職した翌日、父親に代表取締役から退任してもらい、僕が代表取締役に就任したのです。その月から、役員報酬をスタートしました。その年の売上は、飛躍的に上昇しました。

これが、僕が、URVグローバルグループ創業の、創業第7期に入った今、はじめて明かす、僕の独立の体験談です。

URVグローバルグループは、成長を続け、国内3社の株式会社、海外12都市に駐在員事務所や現地法人を展開する、「グローバル」な企業グループとなり、今も、成長を続けています。

以上からお分かりいただけるかと思います。僕のように、年齢が高くなり、社会的な地位があがってしまうと、独立は本当に大変です。

今は、金融も緩和しており、創業融資の借り入れも、破算歴やカレジットカードのブラックリスト入りなどの過去がなければ、可能です。会社法も、資本金規制がありませんから、会社は作りやすいわけです。

是非、独立を考えている方は、今すぐ、準備を開始してください。

[囲み装飾]松本尚典の中小企業経営者支援コンサルティングサービス

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