【風俗トラブル】女性側から本番を持ちかけられたのに「強要された」と言われたら、反論できる?
キャストと店の外で会ったことが店に知られ、「規約違反なので罰金100万円」「払わなければ家族に連絡する」などと支払いを求められる相談は少なくありません。店側から強い口調で期限を切られると、言われた金額をすぐに用意しなければならないように感じてしまうものです。
本記事は2026年11月時点の法令にもとづく一般的な解説です。具体的な事情によって結論が変わることがありますので、個別の対応については弁護士にご相談ください。
この記事では、店外で会ったことを理由とする罰金請求について、弁護士に相談する前に確認しておきたい12の項目を整理します。相談の場で事情を短時間で正確に伝えられるようになるほか、ご自身で判断できる範囲とできない範囲を見分ける手がかりにもなります。
店外で会ったことを理由とする「罰金」の位置づけ
まず前提として、刑罰としての罰金を科すことができるのは国だけで、店が客に罰金を科すことはできません。店が「罰金」と呼んでいる請求は、法的には、規約に違反した場合に支払う約束をした違約金(損害賠償額の予定)か、店に生じた損害の賠償として扱えるかどうかが問題になります。考え方の基本は「罰金」を請求された|私人が罰金を科すことはできないで解説しています。
また、成人どうしが店の外で食事をしたり会ったりすること自体は、通常、犯罪にはあたりません。店のルールに違反したことと、法律上の責任が生じることは分けて考える必要があります。この区別については店のルール違反と犯罪は別物|約款違反・債務不履行・刑事責任の3層で考えるもご覧ください。
一方で、店外で会った際に金銭のやり取りがあった、性的な行為があったと申告されているなど、事情によっては請求の性格が変わることもあります。法律相談ポータルサイトにも、連絡先の交換を禁止している店でキャストに連絡先を渡したことが店に知られたという相談や、誓約書に署名したうえで店外で何度か会っていたところ、後になって高額の支払いを求められたという相談が寄せられています。同じ「店外で会った」という出来事でも、前後の事情によって見通しが分かれるため、まずは事実を整理することが出発点になります。
弁護士に相談する前のチェックリスト12項目
| No | 確認すること | 確かめる理由 |
|---|---|---|
| 1 | 請求しているのは誰か(店・キャスト本人・第三者) | 誰との間の問題かで、交渉の相手と根拠が変わるため |
| 2 | 請求の名目、金額、その内訳 | 「罰金」「違約金」「迷惑料」などで考え方が異なるため |
| 3 | 根拠とされる規約・誓約書の文言と、同意した方法 | 同意がなければ違約金の約束として扱えないことがあるため |
| 4 | 最初に請求された時期と、期限を切られているか | 急がされている事情や、時間の経過を把握するため |
| 5 | 店外で会った回数、日時、場所、誘ったのはどちらか | 店の主張と事実が合っているかを確かめるため |
| 6 | 店外で会った際の金銭のやり取りの有無と、その名目 | 店の売上を奪ったといえるかの判断に関わるため |
| 7 | 店外で何があったと言われているか(性的な行為の申告など) | 民事の請求にとどまるか、刑事の問題が出てくるかに関わるため |
| 8 | キャストとの現在の関係と、連絡の状況 | キャスト本人の意向と店の主張が一致しているかを見るため |
| 9 | 署名や押印をした書面の有無と、その写し | 書面の内容と作成の経緯で、効力を争えるかが変わるため |
| 10 | すでに支払った金額、支払いの方法、領収書の有無 | 返還を求める余地や、追加の請求への備えに関わるため |
| 11 | 身分証、勤務先、家族の連絡先などを相手が把握しているか | 家族や職場への連絡をほのめかされたときの対応に関わるため |
| 12 | やり取りの記録(LINE、通話履歴、録音など)が残っているか | 後の交渉で事実を示す材料になるため |
請求の中身を確かめる(項目1〜4)
最初に確かめたいのは、誰が、何を根拠に、いくらを求めているのかという点です。店とキャストとの間の契約で定められた「客と店外で会ってはいけない」というルールは、本来は店とキャストとの約束であり、客がその契約の当事者になっているわけではありません。客に支払いを求めるのであれば、会員登録時の規約や入室時の誓約書など、客自身が同意した定めがあるかが問われます。
規約に定めがあったとしても、金額がそのまま認められるとは限りません。事業者と消費者との契約では、消費者契約法9条1項1号により、違約金のうち同種の契約で事業者に通常生じる「平均的な損害」を超える部分は無効とされています。また、著しく高額な定めは公序良俗(民法90条)との関係で問題になることもあります。金額の考え方は誓約書の「罰金100万円」は本当に払う義務がある?法的効力を検証や損害賠償額の予定(民法420条)は風俗の規約でも有効かで詳しく解説しています。
請求の時期も見落とせません。利用から時間が経ってから突然連絡が来た場合の考え方は、【風俗トラブル】数か月前の利用について突然連絡が来た|時間が経ってからの請求を参考にしてください。
店外で会った経緯を整理する(項目5〜8)
店外で会った回数や場所、どちらから誘ったのかは、記憶が新しいうちにメモにしておくと役立ちます。キャストのほうから連絡先を渡されたり、店を通さずに会おうと持ちかけられたりしたのであれば、その経緯も大切な事情です。こうした場面で起きやすいことは【風俗トラブル】キャストから個人的な連絡先を渡された|応じた後に起きやすいことや【風俗トラブル】『店を通さずに会おう』と持ちかけられた|裏引きの当事者になる危険で解説しています。
店外で会った際にキャストへお金を渡していた場合、店側から「店を通すべき売上を奪われた」という主張が出てくることがあります。反対に、食事代を負担した程度で、サービスの対価にあたるやり取りがなかったのであれば、店に具体的な損害が生じたといえるかは慎重に検討する余地があります。
また、店外で性的な行為があったと申告されている場合には、同意の有無をめぐって刑事の問題が持ち出されることもあります。この場合は、民事の金額の話とは切り分けて、早めに見通しを確かめておくことが望ましいといえます。店外で会うことに伴う一般的なリスクは風俗嬢と店外・プライベートで会ってトラブルに|「店を通さない」リスクもあわせてご覧ください。
書面・支払い・手元の記録を確かめる(項目9〜12)
その場で念書や誓約書に署名してしまった場合でも、内容や作成の経緯によっては効力を争えることがあります。書面の写しや写真がなければ、何が書かれていたかを覚えている範囲で書き留めておいてください。書面がある場合の確認点は【風俗トラブル】店で書かされた誓約書・念書に自分で対応する前の確認リスト|弁護士に任せたほうがよいサインで整理しています。
すでに一部を支払っている場合も、強く迫られて支払った経緯があれば、返還を求める交渉を検討できることがあります。詳しくは払ってしまった後に取り戻せるか|恐喝・強迫を理由とする返還で解説しています。
相手が勤務先や家族の連絡先を把握している場合は、連絡をほのめかされた言葉や日時をそのまま記録しておくことが大切です。支払わなければ家族や職場に知らせると告げて金銭を求める行為は、内容や態様によっては恐喝罪(刑法249条)や脅迫罪(刑法222条)が問題になることがあります。家族や職場に知られないための進め方は家族・職場に知られずに風俗トラブルを解決する方法|弁護士が解説をご覧ください。
該当する項目が多いときの考え方
チェックリストのうち、確認できない項目や不安が残る項目が多いほど、ご自身だけで判断して対応を進めることは難しくなります。特に、次のような事情がある場合は、早めに弁護士へ相談することで選べる対応が増えやすいといえます。
- 請求の根拠となる規約や誓約書を示してもらえない状況。
- 数十万円から数百万円の支払いを、短い期限で求められている状況。
- 店外で性的な行為があったと申告されている状況。
- すでに署名した書面がある、または一部を支払っている状況。
- 家族や勤務先への連絡、来店や呼び出しをほのめかされている状況。
反対に、金額が小さく、請求の根拠も示されていて、やり取りが落ち着いているのであれば、ご自身で対応を続けるという選択もあります。いずれの場合も、相談の場ではチェックリストで整理した内容をそのまま伝えていただければ十分です。相談の際に聞かれることは風俗トラブルの無料相談で聞かれること|相談前に準備すべき情報でも紹介しています。
相談するまでの間に控えたいこと
相談までの間に次のような行動をとると、後から対応の幅が狭まるおそれがあります。
- 求められるまま、新たな念書や支払いの約束をする書面に署名すること。
- キャストに個別に連絡して、事情の説明や口裏合わせを持ちかけること。
- 指定された口座への振込や、現金の手渡しを急いで行うこと。
- 店の事務所など、相手の指定する場所に一人で出向くこと。
- 家族や勤務先への連絡を避けたい一心で、金額をその場で約束すること。
謝罪の気持ちを伝えることと、示された金額をそのまま支払うことは別の問題です。返答を求められた場合は「内容を確認してから回答します」と伝えるにとどめる方法もあります。また、待ち伏せをされる、大声で威圧されるなど身の危険を感じる場合は、ためらわずに110番通報をしてください。
弁護士に相談するとできること
弁護士にご依頼いただくと、店やキャストとの窓口を弁護士に一本化し、ご本人が直接やり取りする負担を減らすことができます。そのうえで、請求の根拠となる規約や書面の提示を求め、金額に理由があるのか、どの範囲であれば話し合いの余地があるのかを確かめながら交渉を進めます。
話し合いがまとまる場合は、合意書に清算条項や互いに接触しない旨の条項を入れ、同じ件で追加の請求を受けないように整えることも大切です。清算条項の働きは清算条項の意味|後から追加請求されないためにで解説しています。当事務所が実際に対応した例としては、【解決事例】デリヘルキャストとの「裏引き」で300万円の念書|弁護士の介入で40万円に減額できた事例があります。
店外で会ったことを理由とする罰金請求は、規約に客自身が同意していたか、店に具体的な損害があるか、店外で何があったと言われているかによって、取るべき対応が変わります。言われた金額を用意する前に、まずはチェックリストに沿って事実を整理してみてください。
同じような状況でも、経緯や残っている記録によって取れる手段は変わります。どこから手をつければよいか判断がつかない段階でも、事実を整理するところからご一緒できます。
当事務所では、電話・メール・LINEのうちご希望の方法でご相談をお受けしています。ご都合のよい手段をお選びください。
早い段階でご相談いただくほど、選べる手立ては多く残ります。迷っている段階でも、まずはお気軽にお声がけください。


