郵便で届いた荷物を受け取った|輸入・譲受の認識の争い方
本記事は、刑事訴訟法(39条・79条・80条・81条・203条・205条・207条・429条)と、各都道府県警察が公表している留置施設の面会案内をもとに、2026年10月時点の内容で執筆しています。面会の受付時間や回数などの取扱いは警察署ごとに異なるため、実際の運用は留置先の警察署でご確認ください。
「昨夜、夫が逮捕されたと警察から連絡があった。着替えを持って今日会いに行けるのか」「警察署まで行ったが、面会はできないと言われた。接見禁止なのか、それとも別の理由なのかが分からない」。ご家族が逮捕された直後のご相談では、このような声を多くお聞きします。
世間では「逮捕から72時間は家族でも会えない」「勾留されれば会える」「接見禁止がつけば会えない」と説明されることが多く、それ自体は誤りではありません。ただ、実際に「今日」会えるかどうかは、手続がどの段階にあるか、接見禁止がついているか、そしてその日の留置先の事情という3つの条件が重なって決まります。窓口で「会えない」と言われても、その理由までは説明されないことがあるため、ご家族が状況を読み違えてしまう場面も少なくありません。
この記事では、逮捕されたご家族に今日会えるかを判断する順序と、接見禁止がついているかを見分ける方法を中心に解説します。接見禁止の解除に向けた具体的な手続は接見禁止がついて家族が会えない|解除に向けた動きで、差し入れの詳しい実務は留置場への差し入れと手紙|家族ができる支援の実務で扱っていますので、あわせてご覧ください。
今日会えるかは3つの条件で決まる
条件1:手続がどの段階にあるか
逮捕された人は、まず警察で最大48時間(刑事訴訟法203条1項)、検察官のもとで最大24時間(同法205条1項)、合わせて最大72時間の「逮捕段階」に置かれます(同条2項)。この期間に検察官が勾留を請求し、裁判官が勾留を決定すると、「勾留段階」に移ります。
家族などの一般の方が面会できることを定めた規定(同法80条、207条1項による準用)は、勾留されている人を対象としています。逮捕段階の面会を明文で禁じた規定があるわけではありませんが、実務上、この段階で家族の面会が認められることはほとんどありません。そのため、逮捕から勾留が決まるまでの間は、家族が会える見込みは低いと考えておくのが現実的です。
条件2:接見禁止がついているか
勾留段階に入っても、裁判官が「逃亡し又は罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由がある」と判断した場合には、弁護人以外の人との面会を禁じる決定(接見等禁止決定)が出されることがあります(同法81条、207条1項による準用)。この決定がついていると、勾留段階であっても家族は面会できません。
条件3:その日の留置先の事情
手続の段階や接見禁止の点で問題がなくても、その日の事情で会えないことがあります。多くの警察署では、面会は平日の決められた受付時間に限られ、土曜・日曜・祝日や年末年始は受け付けていません。また、被留置者1人につき1日1回(1組)という制限を設けている警察署が多く、その日にすでに別の方が面会を済ませていれば、後から来た家族は会えません。本人が取調べや実況見分、検察庁や裁判所への移動で不在にしていることもあります。
3つの条件と家族・弁護士の面会の可否を整理すると、次のとおりです。
| 段階・状況 | 家族の面会 | 弁護士の接見 |
|---|---|---|
| 逮捕段階(最大72時間) | 運用上、ほとんど認められない | 可能 |
| 勾留段階・接見禁止なし | 平日の受付時間内で可能(1日1回などの制限あり) | 可能 |
| 勾留段階・接見禁止あり | できない | 可能 |
| 本人が不在・当日面会済み | その日はできない | 時間を改めて可能 |
まず「手続の段階」を確かめる
逮捕された日時から数える
最初に確かめたいのは、逮捕された日時です。逮捕の翌日から翌々日にかけて検察庁への送致と勾留請求が行われ、本人が裁判所で裁判官の質問(勾留質問)を受けたうえで勾留が決まる流れが一般的です。逮捕の当日や翌日に警察署へ行っても、家族が会える段階に入っていない可能性が高いといえます。
また、勾留質問の日は本人が裁判所に出向いているため、警察署に行っても会えないことがあります。逮捕から何日目に当たるかを数えておくと、窓口での返答を読み解く手がかりになります。手続全体の流れは逮捕から解決までの流れ【フローチャート】|今どの段階かがわかるでも確認できます。
勾留の通知が届いているか
裁判官が勾留を決定したときは、その旨が通知されます。本人に弁護人がいなければ、配偶者・直系の親族・兄弟姉妹などのうち本人が指定した1人に通知が届く仕組みです(刑事訴訟法79条、207条1項による準用)。ご家族のもとに勾留の通知が届いていれば、勾留段階に入ったと判断できます。
ただし、すでに弁護人がついている場合、通知は弁護人に届くため、家族には直接届かないことがあります。通知が届いていないことだけを理由に「まだ勾留されていない」と判断するのは早計です。弁護人がいるかどうかが分からないときは、この点も含めて確認が必要です。
再逮捕されたときは段階が戻ることがある
勾留中に別の事件で再び逮捕されると、新たな逮捕について逮捕段階からやり直しになります。それまで面会できていたのに、急に面会を断られるようになったという場合、再逮捕が理由になっていることがあります。再逮捕が続く背景は再逮捕が繰り返されるのはなぜか|余罪と追起訴の見通しで解説しています。
接見禁止がついているかの見分け方
留置先の窓口で確かめる
接見禁止の有無は、留置されている警察署の留置担当の窓口で確かめるのが基本です。ただし、被留置者の個人情報を保護するため、「誰がどこに留置されているか」「その人に面会できるか」といった問合せには電話で答えず、身分証を持参して窓口で尋ねるよう案内している警察もあります。電話で答えてもらえなかったとしても、対応として珍しいことではありません。
窓口では「面会できません」とだけ伝えられ、その理由が逮捕段階だからなのか、接見禁止がついているからなのか、その日の事情なのかまでは説明されないことがあります。返答の内容によって、考えられる理由と次に確認すべきことは異なります。
| 窓口での返答 | 考えられる理由 | 次に確認すること |
|---|---|---|
| 本日はすでに面会がありました | 1日1回の制限 | 次の平日に改めて行けるか |
| 本人は今不在です | 取調べ・検察庁や裁判所への移動など | 戻る時間の目安と午後の受付 |
| 面会はできません(理由の説明なし) | 逮捕段階、または接見禁止 | 弁護人の有無と、勾留・接見禁止の状況 |
| 当面、面会はできません | 接見禁止の可能性が高い | 弁護人を通じた決定内容の確認 |
弁護人に確かめる
接見禁止の有無と内容をもっとも正確に把握できるのは、本人の弁護人です。国選弁護人・当番弁護士・私選弁護人のいずれであっても、弁護人は勾留や接見等禁止決定の内容を確認できます。接見禁止には、終わりの時期が「公訴の提起まで」とされているもの、手紙などの書類の受け渡しまで禁じているもの、特定の家族だけを対象から外しているものなど、決定ごとに違いがあります。
窓口の返答だけでは、こうした中身までは分かりません。弁護人がついているかどうか分からない場合や、国選弁護人と連絡が取れない場合には、ご家族から弁護士に依頼して接見に行ってもらうという方法もあります。国選と私選の違いは国選と私選はどう違う|途中で切り替えられるのかをご覧ください。
接見禁止がつきやすい事件の傾向
接見禁止は、すべての事件につくわけではありません。共犯者がいる事件、組織的に行われた詐欺などの事件、関係者が多い事件、本人が容疑を否認している事件などでは、口裏合わせや証拠隠滅のおそれがあると判断され、接見禁止がつきやすい傾向があります。
もっとも、これはあくまで傾向にすぎず、同じ種類の事件でも個別の事情によって判断は分かれます。事件の種類から推測するのではなく、窓口と弁護人の両方で実際の状況を確かめることが大切です。
接見禁止がついていても家族にできること
弁護士を通じて本人の様子を知る
弁護人や、弁護人になろうとする弁護士は、逮捕段階でも、接見禁止がついていても、本人と面会(接見)できます(刑事訴訟法39条1項)。警察官の立会いはなく、家族の面会のような時間の制限も原則としてありません。捜査のために必要な場合に日時が指定されることはありますが(同条3項)、土日や夜間に接見できることも多くあります。
家族が会えない期間でも、弁護士の接見を通じて本人の体調や必要な物、家族への伝言を受け取ることができます。ただし、事件の関係者への口止めにつながるような伝言など、証拠隠滅を疑われる内容は取り次げません。接見の流れは「接見」で弁護士は何をするのか|依頼から面会までの流れで解説しています。
差し入れは物によって扱いが分かれる
接見禁止がついていても、衣類や現金などの差し入れは受け付けられることが多くあります。一方、手紙や本、写真などは、接見等禁止決定で書類の受け渡しが禁じられていれば、差し入れできません。刑事訴訟法81条ただし書は食料の受け渡しを禁じることはできないと定めていますが、警察署の留置施設では保安上の理由から飲食物の差し入れ自体を受け付けていないことが一般的です。
弁護人を通じて手紙を届ける方法については、弁護人名義の手紙と本人名義の手紙|どちらで届けるかもご参照ください。
解除や一部解除を求める
接見禁止の決定に対しては、弁護人が準抗告を申し立てたり(刑事訴訟法429条1項2号)、特定の家族との面会だけを認めるよう一部解除を求めたりする方法があります。事件と関係のない配偶者や親との面会について、一部解除が認められる場合もあります。具体的な進め方は接見禁止がついて家族が会えない|解除に向けた動きで、勾留そのものを争う方法は勾留決定に納得できない|準抗告と勾留取消請求の違いで扱っています。
会えると分かったら当日に準備すること
受付時間と持ち物を確認する
面会の受付は平日の午前と午後に分かれていることが多く、受付から面会まで待ち時間が生じることもあります。面会の予約を受け付けていない警察署もあるため、時間に余裕をもって出向くと安心です。
面会する人は全員、運転免許証やマイナンバーカードなどの身分証を持参します。1回に入室できるのは3人まで、時間は15分から20分程度とする警察署が多く、警察官が立ち会います。面会中は携帯電話や録音機器を使えず、外国語での会話には事前の申出と承諾が必要とされるのが一般的です。
面会で話す内容を決めておく
限られた時間を有効に使うため、伝えたいことと聞きたいことを事前にメモしておくとよいでしょう。体調、必要な衣類や日用品、家族や仕事の状況、弁護人がついているかどうかなどが中心になります。
警察官が立ち会っているため、事件の中身について詳しく話すことは控えたほうが無難です。事件に関することは弁護人の接見を通じて確認するというように、家族の面会と弁護士の接見で役割を分けておくと、本人にとっても負担が少なくなります。
家族の間で誰が行くかを調整する
1日1回の制限がある警察署では、家族の誰かや本人の知人が先に面会を済ませると、その日は他の人が会えなくなります。複数のご家族が面会を希望している場合には、誰がいつ行くかを家族の間で決めておくと、警察署まで行ったのに会えないという事態を避けやすくなります。差し入れの品も、面会に行く人がまとめて持参できるよう準備しておくと効率的です。
よくあるご質問
土日に逮捕された場合、週明けまで会えないのでしょうか
多くの警察署では、家族の面会は平日に限られています。逮捕段階では運用上ほとんど面会が認められないこともあり、土日に逮捕された場合、家族が会えるのは早くても週明け以降の勾留決定後になるのが一般的です。弁護士の接見は土日でも可能なことが多いため、それまでの間は弁護士を通じて本人の様子を確認する方法があります。
逮捕直後でも、家族が会えることはあるのでしょうか
逮捕段階の面会を明文で禁じた規定はなく、警察の運用によって認められる例もあるとされています。ただ、実際に認められることはまれで、多くの場合は勾留が決まるまで面会はできません。逮捕直後に本人の状況を知りたいときは、弁護士に接見を依頼するのが確実です。
接見禁止はいつまで続くのでしょうか
接見等禁止決定では、終わりの時期を「公訴の提起まで」とすることが多く、起訴された時点で接見禁止がなくなる例が少なくありません。一方、起訴後に改めて接見禁止がつくこともあり、事件によっては公判が始まるまで続く場合もあります。決定の内容は弁護人を通じて確認できますので、見通しを含めて弁護人に尋ねてみてください。
まとめ
- 逮捕段階(最大72時間)は、運用上、家族の面会がほとんど認められない(刑事訴訟法203条・205条)。
- 家族が面会できるのは原則として勾留段階に入ってから(同法80条・207条1項)。
- 勾留段階でも、接見等禁止決定がつけば家族は面会できない(同法81条)。
- 勾留の通知は、弁護人がいれば弁護人に届くため、家族に届かないことがある(同法79条)。
- 窓口の返答だけでは理由が分からないことがあり、接見禁止の有無と内容は弁護人を通じて確かめるのが確実。
- 弁護士は逮捕段階でも接見禁止中でも本人と接見できる(同法39条1項)。
- 接見禁止には準抗告や一部解除の申立てで対応する余地がある(同法429条1項2号)。
弁護士法人若井綜合法律事務所では、刑事事件に関するご相談を池袋と新橋の事務所でお受けしています。ご家族が逮捕されて面会できるかどうか分からない場合や、接見禁止がついて本人の様子が分からない場合には、弁護士が接見に伺い、本人の状況をご家族にお伝えします。
逮捕の連絡を受けて何から手をつければよいか迷っている方も、一人で抱え込まずに、まずはご相談ください。


