姿勢改善のプロが、ランニングフォームの指導をいたします。
こんにちは。
今回は前回に続いて、走ることによって生じる膝などの痛み・
いわゆる「動作痛」についてのお話です。
前回記事「ランニングをすると膝が痛くなる。そんな時の対処法は?」はこちら
https://mbp-japan.com/tokyo/karadachosei/column/5131951/
今回は、膝や足のケガ・痛みにつながりやすい「走り方・走法」について、
一つの動作をご紹介します。
よく言われている「あの動作」を意識し過ぎると、
膝・足に悪影響!
膝は何故痛くなるのでしょう?
やはりそれは、膝の関節やじん帯・筋肉などに負荷がかかるからだと思います。
走る時は特に両足が浮いたところから、片足で着地しますから、
膝には相当な負荷がかかっています。
その中で、膝が痛くなる人もいればならない人もいます。
その時の負荷のかかり方や強さで、それは変わってくるのでしょう。
カラダのゆがみや、膝の関節の癖(X脚・O脚など)が大きくかかわりますが、
走る時の動作が良くなくてもなるリスクがあります。
私が考えている、あまりおすすめしない、走る時に意識する動作は
かかとから着く事を意識して走る(歩く)ことです。
走る時はかかとから着地するか?
よくウォーキングやランニング教室で言われる事ですよね。
これが良くないとはどういう事なのでしょうか?
まず、歩く時は足をつく時は、かかとから着くのは正解です。
走る時はどうでしょう?
スプリントでは、着きませんよね。
スプリントではおそらくかかとを着いていたら、遅くなってしまいます。
しかしスピードが下がるジョギングでは、おそらく着くでしょう。
歩く時を基準に考えると、かかとから着いてつま先から抜けるのは正しいです。
ただ、これらを意識して行う事はあまりよくありません。
かかとから着く事を意識すると、
どうしても着地の際にかかとを地面に置いてしまいがちになります。
そうすると、着地の衝撃を地面から大きく受けてしまいます。
「かかとから着く」を意識すると、脚は膝が伸びて着地しやすくなる。
すると、杖を「ドン」と突いたように地面から衝撃を食らい、
膝関節や股関節にも衝撃が伝わる。それが膝痛の元になるので、
あまり意識してやらない方がいい。
その衝撃が膝などに大きな負荷になります。
それが積み重なるとやがて壊れます。
着いて・蹴るでは無く、足の上を体が抜けるように走る。
歩く・走るの様子をスローでみると、確かにかかとから着地して、つま先から離れますが、
かと言ってかかとから着いて、つま先で蹴る事を意識すればいいわけではありません。
ここで前回の理論になっていくのですが、
体が前へ進む時、前の足が着いた時には体はかかとの上位にいるのが理想です。
そこから体が足の上を、かかとからつま先に向けて進みます。
つま先まで来た頃に、次の足が着地して同じ事を繰り返していきます。
上:片足の着地中、体は足の上を進み、脚が体の前から後ろにスイングされる(赤で示したところ)
下右:左足が着地した時は両足の中間に重心があり、
下中央:体が移動して足の中央に重心が移っていき、
下左:つま先の上へと重心が移っていく。
足の動作を意識するというよりは、
体が足の上を進んでいくと結果そうなるのがいいです。
かかとやつま先の動作を意識しすぎると、
かえって足が痛くなってしまう原因になりがちなので、
思い当たる節があれば、やらないようにしてみましょう。
それでも良くならないようであれば、ご相談ください。
という訳で、今回は膝が痛くなりやすい「走り方・走法」についてでした。