マナーうんちく話342≪マナー美人⑨「旅館のマナー」≫
四季が美しく、物が豊かで、便利で、平和で、長寿で、さらに法と秩序が順守され、様々な社会保障制度を有し、世界で最も恵まれた国で、幸福度が長きにわたり低迷しています。
これをどうとらえるかは人それぞれでしょうが、心の豊かさを求める声は年々高まっていると感じます。
そしていかに幸福度を高めるか?という点が課題になるわけですが、今最も大切にしたいと考えるのが「人間性」の育成です。
経済至上主義、感謝や思いやりの心の低下、忖度。
加えてコロナ禍におけるふれあいの稀薄等など。
改めて人としての品格が問われる時代だと痛感します。
また「人を愛する心」を持ってほしいものです。
特に指導的立場にある人、社会的影響力のある人には・・・。
今もいろいろな分野で教育の重要性が指摘されています。
勿論賛成です。
しかし、それは偏差値を上げたり、一部の政治家の思い通りの国づくりではないでしょう。
明治新政府のように、百年の大計で教育の在り方を論ずるなら、その核心となるものは「思いやりの心」「感謝の心」を育てることだと考えます。
幸いなことに、今の日本の多くの若者は「人の役に立ちたい」と希望しています。
人の役に立つとは、すなわち相手のことを思いやることです。
幼い時からその心を家庭や、学校や、地域で育めば争いごとはなくなります。
地球の環境保全にも大きく貢献するでしょう。
加えて感謝の心は幸せを感じる力をはぐくんでくれます。
人は感謝しているときには怒りの心は芽生えません。
不幸だとも感じません。
日本は令和2年現在で、75年間戦争に無縁の国です。
国連加盟国193の国の中でも、とても平和な国だと思いますが、本当の意味で平和になるということは、単に争いごとがないだけではなく、常に相手を思いやり、感謝することではないでしょうか。
新型コロナの影響もあって「オンライン」がにわかにクローズアップしました。
時代の流れだと割り切ってしまえば、それまでかもしれませんね。
しかし「ネットコミュニケーション」も確かに大切ですが、「触れ合いコミュニケーション」も大事にしたいものです。
なんだかんだと言っても、日本にはまだ輝きがあると感じます。
世界の多くの国も、日本にはそれなりに魅力を感じていると思います。
四季の美しさ、思いやりの心を核にした「おもてなしの文化」、和食の魅力・・・。
例え日本が経済大国から遠ざかっても、国民一人一人が、思いやりや感謝の気持ちを身に着けた「マナー美人」になって、互いに幸せを感じるようになれば、何ら心配することはないと思うわけです。
そのためにはマナー教育の重要性を再認識したいものです。
わたしも中学、高校、特別支援学校、専門学校、大学等で何度も教壇に立ちましたが、いずれも大変短い時間です。
ちなみに親を対象にしたマナー講習は数えるくらいです。
これではたいした効果は得られないと思うのですが・・・。