マナーうんちく話239≪バラ色の人生とマナー≫
稲の収穫がピークを迎えるなか、秋の情緒をさらにかきたててくれるのが、鈴虫や松虫ではないでしょうか。
虫の鳴き声を楽しむのは、日本人が有している独特の感性だといわれます。
秋の夜長、虫の声を静かに聞きながら、秋の気配に心を寄せてみるのもお勧めです。
世の中があわただしくなり、またデジタル万能の時代になって、何もかも無機質になってしまう中、こうして季節を愛でる心のゆとりは大切にしたいものですね。
逆に四季と同化できなくなってしまうと、時間だけがどんどん過ぎてしまうような気がします。
ところで毎年国連から発表される「世界幸福度報告」では、2020年度の日本の幸福度は、昨年度の58位から、さらに低下し62位でしたね。
近年日本は便利になり、物質的には豊かになっていますが、幸福度は年々後退しているのが現状です。
大人の幸福度が下がれば、子の幸福度も下がるでしょう。
「子は親の鏡」と表現されるように、子どもは親の影響を多大に受けます。
ユニセフ(国連児童基金)が公表した、先進38か国の子どもの幸福度は、日本は総合で20位でした。
内訳は体の健康1位、学問などの能力27位、精神的健康37位です。
日本は世界屈指の長寿の国で、医療体制は整っていますから、子どもの死亡率や肥満度はとても低く、素直に体の健康1位は喜んでいいと思うのですが、問題は精神分野の順位です。
あくまで幸福度ですから、捉え方は様々です。
さらに国民性も大いに関係するので一概には言えないと思います。
しかし、15歳以下の子どもの幸福度が低いということは気になるところです。
特に日本の子どもは、気軽に友達を作るのが苦手な子が多いとか・・・。
そういえば私も色々な若者の生活支援に取り組んで痛感するのが、周囲との人間関係構築能力の低下です。
大人も子どもも、幸福度を上げるのに不可欠な要素は、まさに人と人とのつながりではないでしょうか。
デジタル万能の時代になり、物質的にも豊かになり、また便利になっても、人との結びつきが希薄になれば幸福感は得られないと考えます。
AIだ、効率だ、スピードだという前に、人とのつながりを考える必要がある!ということです。
今日本は、人生百歳時代に突入しています。
長寿を競うことも大切ですが、長い人生をいかに豊かに、ハッピーに暮らすことができるか?が問われます。
ちなみに幸せな暮らしは、物が豊かで、便利な国であっても、天から自然に降ってくるものではありません。
幸せの青い鳥物語のように、遠くに探しに行くものでもないでしょう。
一人ひとりが自分で作るものです。
そして、それは一人ひとりの心の中にあるものです。
幸せか否か?
それは一人ひとりの心の持ち方で決まるということです。
次回に続きます。