マナーうんちく話239≪バラ色の人生とマナー≫
30年以上和食・洋食のテーブルマナーに関わっていますが、日本人は贅沢な食事をしている割には、食事を楽しむことが苦手な人が多い気がしてなりません。
そこで改めて「食事会」のマナーに触れておきます。
コロナ騒動が落ち着き、食事を楽しむ機会が増えたら参考にして下さい。
会食に招待されたら、参加する前に仕入れておくべき情報は沢山あります。
「目的」「日時」「会場」「出席者」「料理内容」「主催者」などです。
●会食の目的
「歓迎会」なのか「送別会」か?あるいは結婚や長寿を祝う会か?単なる親睦会か?さらにフォーマルな会か?カジュアルな会か?を見極めて下さい。
●会食の時間帯と会場
食事会が昼の開催か夜なのか?会場はホテルか料亭か?レストランか居酒屋か?あるいは上司・友人の自宅か?
●会食会の参加者
出席者の顔触れはどうか?そして自分の立場を自覚してください。
●会食会の主催者
個人の主催か?職場の部署単位か?会社や組織が主催するのか?
●会食会の料理の内容
フレンチやイタリアン、中華、和食か、あるいは立食かなどを把握してください。
おおむね以上のことが把握できたら、おのずと服装が決まってきます。
また会話の内容もおおよそ見当がつきます。
例えば服装ですが、ランチタイムとディナータイムでは装いも異なります。またホテルか料亭の畳の部屋かも気になります。さらに年配者への気配りが大切です。
加えて祝賀会でも本人主催か、大きな団体が主催するかでは服装も変わってきます。いずれにしても主役より格下の装いがおすすめです。
さらに和室での懐石料理となれば、「懐紙」を用意してください。素足と短めのスカートはお勧めできません。
当日はあまり空き腹ではなく、おなかに余裕を持たせたほうがいいでしょう。空腹のままごちそうを頂いたら、知らず知らずのうちにガツガツするからです。
入室の時サービス係がいて、席まで案内してくれるようでしたら、少し構えて下さいね。そして椅子を引かれたら「ありがとう」で答えて下さい。
席が決まってなかったら参加者の顔触れを観察してください。
洋食も和食も共通していますが、とにかく姿勢が大切です。
開催の挨拶後に「乾杯」がありますが、たとえアルコールが飲めなくても、みんなと同じもので乾杯し、飲む真似だけでもしてください。和を保つためです。
乾杯が終わったら、自分の好きなものを頼めばいいでしょう。
おもむろにナプキンを膝にかけますが、タイミングが大切です。
自分の判断ではなく、まず場の雰囲気を見て、主賓や上位者、年配者がナプキンを取ったらそれに合わせます。洋食はサービス係に任せます。ワインやシャンパンをつがれる際にグラスを持たないでください。
フォーク・ナイフの使い方ばかり気お付けるのではなく、会話を大切にしてください。
料理を切るときには視線は料理ですが、口に入れたら視線は全体を見るように心がければいいでしょう。また和食では美しい箸使いを心がけて下さい。料理を口に入れるサイズは「一口サイズ」を守ることです。
洋食はレディーファーストですが、和食の席では男性を立てて下さい。洋食・和食共に料理のスピードはとても大切です。主役、主賓、年長者に合わせて下さい。
会食会終了後、幹事や主催者へのお礼は「美味しかったです」もいいですが、「大変有意義な時間をありがとうございました」「楽しかったです」がより重みが出ます。
お礼は一度言えば十分ではなく、帰る時にも、翌朝あった時にも発したらより喜ばれます。コロナが落ち着いたらまた食事会を楽しんでくださいね。