マナーうんちく話251≪電話のかけ方のマナー≫
今年は猛暑が続いたおかげで、畑と庭の花の水やりが大変でしたが、なんとか持ちこたえてくれてホッとしています。
そして我が家の恒例の年中行事の一つですが、9月9日の「重陽の節句(菊の節句)」の夜、菊酒を味わいました。
毎日水やりをしている菊の花びら(まだツボミ状態)を少々拝借して、冷酒を注いだグラスに入れ健康長寿を祈念するわけですが、人生百歳時代を迎えた今、平安貴族と同じような風習を楽しみ、ささやかな幸せを感じることができました。
ところで普段は意識しなくても、職場やプライベートシーンで「ため口」を使うことはありませんか?
時と場合によっては、相手から不快に思われることもあり注意が必要です。
また職場で部下や後輩から、ため口で話しかけられることもあるでしょう。
もともとため口は、賭博用語で「ゾロ目(2個のサイコロを振った時、同じ数字(目)がでること)」を指す言葉ですが、それが次第に変化して、「タメ=対等・同等」という意味になったようです。
つまりため口とは、対等の口をきくということです。
従って職場でのため口は感心しません。
もともと日本では敬語もあるし、年上を尊重する文化が存在するので、時と場合、あるいは相手により、言葉は慎重に選びたいですね。
勿論堅苦しい敬語ばかりでは、心理的距離が縮まらないので、仲良くなりたいという思いで使用する場合もあるでしょう。
しかしその前に、ため口を使用していい環境か否か?ため口を使用していい相手かどうか?さらにため口を使用すればどうなるか?を考えてみて下さい。
最近では先輩や上司が、新入社員からため口で話しかけられるケースもあります。
そのときには、それを受け流すという手もありますが、できれば注意したり、敬語の使い方を教えてあげて頂きたいものです。
管理職として部下に、きちんとメリハリをつけることを指導したいものですね。
ため口は、「本音で親しみのある会話ができる」と思われている今の風潮ですが、その親しみはどこまで通用するのか?大いに疑問です。
特に接客の現場では、たとえスタッフ同士でも、お客様の評価が下がる恐があります。接客とは、その店独特の良さを、お客様に提供することですから、ため口はミスマッチだと考えます。
学校しかりです。
生徒が教師に親しみを込めてため口で話しかけたら、周囲にいる親や教師は、その場できちんと注意していただきたいと思います。
学校は言葉を学ぶ場でもあるわけですから・・・。
ただし、地域や趣味の会などで、ため口での話が日常になるほど、人間関係が築けている中で、あえて敬語を使用したら、壁を作ることにもなりかねません。
わたしも講演会などでは、時として、ため口や方言の岡山弁を使用することもあります。あえて意識して話すわけですが、好感を持たれることもあります。
ただ私のような年を重ねたものがため口を使用するのと、まだ若い人が使用するのでは、受ける人の感覚は全く異なるので注意が必要です。
より親しくなる目的で、ため口を使用するときに注意していただきたいことは、「始め」と「終わり」はきちんと丁寧語で絞めて下さいね。
特に終わりは、言葉遣いも立ち居振る舞いも丁寧にすることが大切です。
また、どうしてもため口を使用されて不快に思うなら、相手の生い立ち・性格・仕事などを考えてみて下さい。意識が変わります。
言葉だけでは人を判断できないことも多々あります。
言葉遣いは悪いが人はいい、またその逆もあります。
総合的に判断してくださいね。