マナーうんちく話251≪電話のかけ方のマナー≫
ちょっと振り返ってみて下さい。
例えば1階から2階に上がる時にエスカレーターを利用する際「彼女より男性が先に乗ったり」、「訪問先で手土産を渡す際、紙袋まま渡したり」、「上品に食事をするつもりで手盆の振る舞いをしたり」していませんか?
ビジネスシーンでもプライベートでも《マナー》が重要な位置を占めていることは承知の通りです。外交儀礼の場ではさらに重要度は増します。
仕事はバリバリこなすけど、マナーには無頓着でがっかりさせる人もいれば、逆に仕事はいまいちだけど、常に周囲に思いやりを発揮したり、挨拶の仕方や食事の仕方に品格を感じさせるものだったら、評価は大きく変わるでしょう。
「がっかり」から「うっとり」への必須アイテムは意外にマナーかもしれませんね。
マナーは強制力もなければ、違反した時の罰則規定もありませんが、相手の感じ方次第で大きな影響を受ける場合が多々あります。
マナーが人間関係作りの「潤滑油」といわれる所以です。
ほんの些細なことで「大きな差」が付くのがマナーだということでしょう。
この些細な違いを正しく理解し、日常生活で実践できれば、人生は大きく好転するかもしれませんね・・・・。
例えばコミュニケーションの基本である「挨拶」しかりです。
挨拶は「相手の存在を確認した」という意思表示と共に、「私はあなたとこれからも仲良くやっていきたい気持ちを有しています」ということですが、TPOによりちょっとした使い分けが大切です。
ちなみに私は長年ホテル業界で従事していましたが、そこでは勤務も不規則で、朝であれ、昼であれ、夜であれ、出勤した時の挨拶は「お早うございます」です。
この起源は歌舞伎界にあるという説が有力のようですが、いまだにホテル業界を始め接客業界などでは受け継がれているようです。
一方「今日は」「今晩は」は、ビジネス業界では会話は勿論、ビジネス文書やメールでもあまり使われてないような気がしますが、如何でしょうか・・・。
同じ組織の人であれば「お疲れ様」が多いような気がします。
では取引先やお客さもの場合はどのような挨拶がいいでしょうか?
相手との関係性により「今日は」「こんばんは」も有りですが、お勧めは「お世話になります」がいいでしょう。
勿論「今日は、いつもありがとうございます」とか、「今晩は、毎度お世話になります」なども好感が持たれるでしょう。
「今晩は」の後に「ありがとうございます」や「お世話になります」が加味されれば好印象を与えることもあります。上手に組み合わせて下さいね。
またトイレや廊下での挨拶は「お疲れ様」で、出勤途上であれば「お早うございます」、目上への人より先に進む場合は「失礼いたします」ですが、ポイントは「明るく笑顔を添えて」「先手必勝」「相手の目を見て」です。
ちなみに「世話」には「面倒を見る」という意味と、「間に入って関係を取り持つ」という意味があるので、ビジネスシーンでの「お世話になります」は、「関係を取り持っていただきありがとうございます」の意味で使用されます。
これから世話になる場合は「お世話になります」で、すでに現時点で世話になっている場合は「いつも(毎度)お世話になります」でいいでしょう。
また相手から「お世話になります」といわれたら、「こちらこそお世話になります」と返してください。
似たような言葉に「ご愛顧」がありますが、これは「気にかける」「目にかける」意味で、「日頃のご愛顧に感謝申し上げる」意味で使用します。
「気にかけて頂き有難い気持ち」を品よく表現するのに便利がいい言葉です。