マナーうんちく話239≪バラ色の人生とマナー≫
先日来日されたローマ教皇は、日本における4日間の滞在で数々のスピーチを各地で行われましたが、感銘を受ける点が多々ありましたね。
長崎でも、広島でも、東京でも熱狂的に受け入れられたシーンがとても印象的で、講演の内容にも、人としての優しさや思いやりが滲み出ており、大変「かっこういい」と感じました。
ところで地域社会でも、ビジネスの社会でも「かっこいい人」を良く見かけます。
かっこいい人といえば「見た目が美しい人」「お金持ちの人」「地位が高い人」などを思い浮かべるかもしれませんが、見た目が美しくても心が汚い人、金があってもケチな人、権威や名誉があっても誠意のない人は沢山います。
では本当に《かっこいい人》とはどんな人でしょうか?
言い方を変えれば、かっこいい人とは「品のある人」と言えるかもしれませんね。
具体的に言えば、他者の役に立つ人、他者に喜んでもらえる人と捉えて頂いたらいいと思います。
「情けは人のためにならず」という言葉があります。
真意は「人にはなるべく優しくしなさい」ということですが、言葉の意味は理解しているが、それを実際に行動に移している人は少ないのではないでしょうか・・・。
大袈裟に考える必要はありません。
会社で廊下を履いたり、窓を拭いている人を見かけたら「お疲れ様です。綺麗になって気持ちいいですね」とか、コンビニで買い物をして品物を受け取った時に、レジの人に「ありがとうございます」と声をかけるだけでもいいでしょう。
ポイントは「相手の目を見て」及び「笑顔を添えて」ですが、それを《さらっと》実践することが大切です。
言った方も、言われた人も、それを周囲で聞いた人も心が和み、気持ち良くなります。
つまり本当に品がいい人とは、みんなに好感を与え、喜んでもらえる人ではないでしょうか・・・。
補足すると、品のいい人とは、高級料亭で会席料理を食べても、フランス料理店でシャンパンと共にフルコースを食べる時も格好いいけど、大衆食堂やセルフサービスの店でも格好良く食べることができる人です。
早い話、言っていることや、行動していることに「愛情」が感じられる人の事だと考えます。
ローマ教皇が来日された時に、「桜を見る会」が大きな話題になっていましたが、「桜を見る会」に招待され精一杯お洒落して参加し、周囲に自慢している人よりも、寒風が吹き抜ける中、無言で窓を拭いたり、地域の花壇の草取りをしている人の方が、はるかにかっこいいと思うのですが如何でしょうか・・・。
またいつものことですが、私には、この度の桜を見る会でも、言い訳に徹している人からは誠意や品は感じませんでした。
一方、高齢にもかかわらず世界の平和のために4日間フル稼働していただいたローマ教皇には、人としての温かさや優しさ、加えて品位とともに神々ししさえ感じるものがあったように思います。
いつの世もそうだと思いますが、政治や教育に携わる人は、利己より利他の精神で、いつもかっこいい人であってほしいですね。
暦の上では「閉塞成冬(そら寒く冬となる)」頃で、灰色の冬空に天地が塞がれる時期ですが、政治の世界にいつまでも暗雲が立ち込めていてはよくないですね。
「桜を見る会」も、そろそろ格好良く幕引きをしてほしいものです。