マナーうんちく話1785《加齢を華麗に!「週刊ニューヨーク生活」に掲載されました》
個人で独立するときには、大手が相手にしない分野に視点を向けるのもいいかもしれません。いわゆる「柔軟な対応」と「小回り」を利かす方法です。
私の場合はマナー講師として独立したわけですが、一口にマナーと言っても非常に多種多様で、日本の「礼儀作法」もあれば、国際基準の「プロトコール」もあります。
さらに冠婚葬祭のマナーだけでも「祝儀や不祝儀に関する物」「祝い事や贈答関係」「結婚」「年中行事」「テーブルマナー」「訪問ともてなし」があり、「和食」「洋食」のマナーも含まれます。
「接客・接遇マナー」「人付き合いのマナー」等なども重要なマナーで、範囲がとても広く、対象を絞ることが大変難しいのが現状です。
また、これらの分野には当然それなりの専門家がいます。
そこで的が絞れない以上は柔軟性を持たせる努力をしました。
例えば講演の依頼があれば、どんな悪条件でも可能な限りお受けしました。
実際戴いた講演料よりも、交通費などの経費が多かったケースもたびたびありましたし、午後10時からの講演もお受けしたケースもあります。
そしてコラムの執筆依頼や電話でのお問い合わせも多く頂いていますが、いくら時間や労力がかかってもほとんどの場合無料です。
勿論最初から一切見返りは望んでいませんが・・・・。
赤字になると共にいろいろリスクもありますが、依頼していただいた個人や団体や参加者とはご縁ができたわけで、これは貴重な肥やしになります。
後日これが大きな花を咲かせてくれたことが多々あります。
とにかく個人でやる以上は何もかも杓子定規にはいきません。
ロスもあれば無駄も少なくありません。
また必然的に「労働時間」は長くなるでしょう。
今「働き方改革」とやらで、労働のスタイルや労働時間の短縮が話題になっていますが、私の経験からすれば、個人で起業する以上は、あまり理想を求めず、最初から長時間勤務になることは覚悟した方がいいと思います。
割に合わないと痛感することもあるということです。
汗水たらして、長時間労働となれば、時代に逆行するかもしれませんね。
しかし私が知る限りでは、個人で独立起業して成功した人は、例外なくこのタイプです。
効率よく、休日もしっかりとって、思うように働いて成功できる人はよほど才能がある人でしょう。
でも凡人は厳しい現実に直面することが多々あると私は思っています。
ただし食っていくためだけの長時間労働は、精神的にも肉体的にも苦労が多いかもしれませんが、好きで独立した場合の長時間労働はまた別の価値もあります。
この点も踏まえたうえで、労働時間戦略を練ってくださいね….
最後に、一部上場企業などの大手企業と個人企業の場合、あまりにも大きな違いがあることは頭に入れて置いて下さい。
勿論職種や働く目的などにより異なりますが・・・。