マナーうんちく話1907《高齢期は発信者になり社会貢献を》
「女の一生」「路傍の石」などの作品でおなじみの山本有三の「右の靴は左の足には合わない。でも両方ないと一足とは言われない」という名言があります。
ホテルで結婚式の仕事に携わっている時、結婚披露宴で時々耳にした言葉で、夫婦が互いに協力し合って幸せな家庭を築くことの大切さを説いています。
数千組のカップルとご縁を頂き、様々な話や打ち合わせを行いましたが、はたから見て、夫婦仲が良くて、幸せそうに見えるカップルは、とても微笑ましい光景です。
でも、そのような夫婦こそ、目に見えないところで互いに協力し合っているということを実感しました。
また夫婦間の愛情というものは、急に湧き出るものではなく、長年苦労を経験し協力し合って、互いが理解し合って、やっと湧き出るものだと思います。
だから「銀婚式」や「金婚式」が、値打ちがあるわけで、シニア世代の夫婦というものはより重みがあるのでしょう。
今回は苦痛を共にしてきた夫婦だからこそ、快楽を共にできるということで、夫婦再生のポイントに触れておきます。
〇改めて「夫婦関係とは?」について考えてください。
世の中にはあらゆる人間関係が存在しますが、中でも夫婦関係は最も大切であるというのが、過去に何千組もの結婚式に携わった私の思いです。
結婚するカップルは実に様々ですが、例外なく披露宴当日の新郎新婦は輝いています。それを一生大切にしていただきたいと願います。
「もうだめだ、分かれよう!」と思った時には、再度披露宴を思い浮かべて下さい。
なぜこの人と一緒になったのか?
なぜ結婚したのか?
恐らく大半のカップルはそれなりの理由があるはずです。
その心をどこかに置き去りにして、現状を嘆くだけではだめでしょう。
今の相手に多少の不安はあるものの、結婚したことは事実です。
そのことをもう一度考えて、それでもだめなら信頼できる人に相談されることをお勧めします。
〇夫婦生活は長い会話です。
夫婦不和の大きな原因の一つにコミュニケーション不足がありますが、先ずは夫婦生活の基本は会話を増やし、意思疎通を図ることと心得て下さい。
日本の家庭には挨拶がないとよく言われますが、私はコミュニケーションやマナー講座で「家庭で朝起きたら挨拶しますか?」という問いかけをします。
しかしイエスと答える人は半数に届きません。
夫婦間ではお金より心のこもった言葉を交わしてほしいものです。
「基本的な挨拶」に「ありがとう」と「美味しい」それだけでもいいと思います。
出来れば「男性が先に発する」、これがポイントです。
次回に続きます。