基礎から指南!接客・接遇マナー3≪お客様の満足度を大きく左右する人的サービス≫
【二極化するシニアの夫婦関係】
前回少し触れましたが、日本には「偕老同穴」という美しい言葉が存在します。
偕はともにで、穴は墓の穴のことです。
つまり死んだら同じ墓に葬られることですが、転じて夫婦の信頼関係が固く、仲睦まじく添い遂げる意味で使用されます。
また「琴瑟相和す(きんしつあいわす)」とは、琴と大琴が合奏したら、音がよく合うことから、夫婦の仲が程よく調和することを意味します。
結婚披露宴にはおなじみの言葉で、耳にした人も多いと思いますが、このように定年後のセカンドライフは、夫婦にとってはまさにゴールデンエイジのはずです。
金婚式も銀婚式も、年を重ねるごとに夫婦の絆が深く硬くなり、黄金の輝きに匹敵するくらい価値があるからつけられた名前です。
現実的にも、このようなタイプの夫婦は多く存在します。
しかし長年連れ添った夫婦の間には、大きなすれ違いが生じているのも最近の傾向のようです。
結婚当初は強い赤い糸で結ばれていた夫婦も、やがてコードレス夫婦になるということでしょう。
その結果、平成に入り大幅に「熟年離婚」が増加しています。
せっかく苦労しながら子育てに励み、働き、やっとそれが終わり「さあこれから!」という時に、夫婦関係が破綻とは勿体ない限りです。
また離別には至らないにせよ、この時点で夫婦の見る方向が異なるのもゆゆしきことでしょう。
どうする?
【定点からでは遅い夫婦関係の修復】
定年後は歳をとるのが早くなります。
こうなると老いを、二人で力を合わせて生きることが大切です。
頼りになるのは、目の前の今の相手だけだということです。
色々不満はあるでしょう。
しかし互いに選びあって何十年も附き合い、何十年も時間を共有してきた特別な相手です。
しかも、互いのいい面も、悪い面も知り尽くした相手です。
こんな心強い相手は他にはいません。
この事をしっかり認識してください。
しかし悲しいかな、こんな相手でも何十年も暮らせば、外見も内面もボロボロになるでしょう・・・。
夫婦と言え、価値観も、趣味も異なるので不思議なことではないと思います。
しかし屋台骨はすべて腐っていません。
修復は出来ます。
だから必要な修復期間をとってください。
そのうえで再度これからの自分自身の在り方、二人の在り方をしっかり見つめて下さい。
夫婦再生を図るということで、私は老後の2000万円問題に振り回され、投資を勉強するよりこちらが先だと思います。
特に高齢期の不安の一つに健康を害することがあります。
介護とも直接向き合うことになります。
つまりどちらかが介護をしたり、されたりの関係になります。
施設利用の場合は多くの専門家の力が加わりますが、自宅介護となれば大変です。
するほうもされるほうもまさに「水魚之交」です。
水と魚のように離れることができなくなります。
だから愛情が必要なのです。