マナーうんちく話461≪手土産の頂き方≫
世界には、誰かが、誰かに対して、感謝や愛情の気持ちを込めて物を贈る文化が多々あります。
品物を贈ったり、お返ししたりすることが「贈答」ですが、今ではギフト、プレゼント、進物ともいわれます。
ちなみに「進物」とは、人に無償でさしあげる金銭や物品の総称ですが、中世までは誰が誰に対して贈り物をするかで表現が異なっていたようです。
つまり上位者が下位者に対しての場合は「贈り物」と表現され、下位者から上位者に対しての場合には「進物」となります。
仕える人や大切な人への挨拶などで贈ると認識されてもいいでしょう。
今ではこの区別があいまいになったようですが、なんとなくその雰囲気が感じられそうなケースは多々あります。
また実物の代わりに品名だけを期して贈る場合は「目録」になります。
贈り物や進物の実物の代わりに贈る品物の「名前のリスト」との認識でいいでしょう。
目録には、贈る品名、個数、日付、贈り主の名前と宛名が必要です。
また目録を入れるのし袋は結納のように一度きりの場合は結びきりで、昇進、長寿など何度あってもいいことは蝶結びがお勧めです。
ちなみに「お世辞」は代償を目的として相手を褒めることですが、お世辞と「称賛」は、どちらがどうか?よく理解できないケースがあります。
これと同じようなことが贈答の世界にもみられます。
賄賂と進物もそれに該当するケースがありますね。
自分が優位に運ぶことを目的として用いられる品物や金銭の場合は「賄賂」になり、賄賂を相手に贈り優位を図れば「贈賄」、受ける場合は「収賄」になります。
これは古今東西どこでもみられることですね。
今でもそうですが、特に江戸時代には賄賂が蔓延していたようです。
清廉潔白な武士でさえ、エリートコースに乗れば、それなりのつきあいもあるし、体裁を保つには費用がかさみます。
さらに出世して良い地位に就こうとすれば、多額の賄賂が必要になるでしょう。
しかし他国に比べれば、日本の賄賂はほどほどなのかもしれませんね・・・。
「礼節の国」としての、それなりの倫理観があるのでしょうか。