マナーうんちく話622≪世界平和記念日と日本の礼儀作法≫
寒さが厳しくなるにつれ、うつむき加減になることが多いものですが、この時期冬の夜空を見上げるのもお勧めです。
澄み切った冬の夜空に瞬く星屑に、神々しさを感じる人も多いのではないでしょうか。加えて寒空の月も格別で、冷たく冴えわたった光の月を、先人は「寒月」と表現しています。
田舎に住んでいると冬の夜は不気味なほど静かです。
そして綺麗です。
そんな中で眺める星や月の輝きは、心の中まで清めてくれそうで、都会には味わえない心地よさを感じます。
一方大都会の夜は、イルミネーション(illumination)の光がまた趣の違った味わいを醸し出してくれます。
これは人工的につくられた輝きですが、街の元気さや、そこに住む人の温かみが伝わってくるから不思議ですね。
日本では戦後クリスマスのイベントが盛り上がりを見せるようになり、それにつれイルミネーションも広くみられるようになりましたが、特に発行ダイオードが登場して規模が急激の大きくなった気がします。
今では観光名所になるところも多々出現しましたが、このイルミネーションの歴史はかなり深いようです。
16世紀のキリスト教の世界において宗教改革が起こりましたが、その立役者になったマルチン・ルターが夜森の中から見た夜空の美しさに惹かれ、森の木の枝にロウソクを飾り、その美しさを再現しようとしたのがその始まりだそうです。
同じようなことを思いつく人は結構いたのでしょうか・・・。
やがてエジソンが白熱電球を発明し、それを木に吊り下げたのが世界で最初のイルミネーションとの説があります。
古今東西、美しいものにあこがれる心理は普遍ですが、いずれにせよ平和が大前提であってほしいものですね。
今年もスポーツ界における暴力事件、教育や政治の世界における不祥事、加えてモノづくりの世界における数々の疑惑など、その世界では名だたる人たちが様々な事件を起こしてくれました。
マナーの世界では、同じことをしても状況によりマナー違反になるケースもあれば、妥当だと認められるケースもあります。
しかし指導的立場にあり、社会的影響力の強い人の不祥事は本当にいただけませんね。
何回も謝罪会見を聞く機会が多い鵜王ですが、この会見も頷ける内容は少ない気がしますが、如何でしょうか・・・。
しかも潔さもないとくれば同情の余地はないでしょう。
いつも「またか」の気持ちで聞いていますが、ほどほどにしてほしいですね。
おもいどおりにいかなくても、我慢しながら、苦労しながら懸命に生きている人も数えきれないくらいいます。
ところで日本には長い歴史の中で、いろいろな生活環境に対応しながら培ってきた「礼儀作法」があります。
自然にも、人にも思いやりの心を発揮した世界に誇る文化ですが、西洋にはそれとよく似た「エチケット」という文化が存在します。
また西洋には「noblesse oblige(ノブレス・オブリージュ)」という言葉が存在します。
「権力や社会的地位の保持には責任が伴う」ということです。
つまり、身分の高い人は、それに応じて、果たさなければならない社会的な責任や義務があるということです。
日本でもしかりです。
地位の高い人や有名人にはそれにふさわしい立ち居振る舞いがあるでしょう。
寒月やイルミネーションという言葉からは清らかさが感じられます。
凍てつく夜空から放たれる光で心を清め、再度思いやりの心で事に当たり、一人一人の足元を照らす存在になっていただきたいものですね。