マナーうんちく話521≪お心肥し≫
10月の終わりといえばすっかり「ハロウィン」が有名になりましたね。
もとはキリスト教の記念日「万聖節」の前夜祭で、秋の収穫を祝うとともに悪霊を追い払う行事だそうですが、日本では仮装して悪魔を追い払うイベントが受けたようですね。
今ではクリスマスの注ぐビッグイベントになりましたが、この時期には知っていただきたい記念日が他にもあります。
このコラムでもすでに触れましたが10月30日は「初恋の日」です。
今から100年前以上になりますが明治29年に、島崎藤村が「初恋の歌」を発表したのがもとになって制定されました。
加えて10月30日は「マナーの日」です。
NPO法人日本サービスマナー協会が10月30日に設立されたことに由来します。
恐らく今やハロウインを知らない人はいないと思いますが、「初恋の日」や「マナーの日」をご存知の方は少ないのではないでしょうか。
しかしマナーに関心を持っている人は年々増加傾向にあり、書店にも多種多様なマナー教本が並んでいます。
その一方で公共の場などにおいて、マナーが低下していることもよく耳にします。特に学校や職場における「いじめ」問題は年々深刻さを増すばかりで、不登校や自殺といった悲劇が後を絶ちません。
マナーの関心が高い割には、素敵なマナーを発揮できる大人が少ないということだと痛感しています。
マナー教本やマナーに関する情報は氾濫するくらいあるが、必ずしも上手に活用されていないということでしょう。
心豊かな生活を謳歌するためには、良好な人間関係作りの潤滑油となってくれるマナーは必要不可欠です。
先人は長年の生活の中から、様々な生活の知恵を生み出してくれたわけですが、その一つがマナーと言ってもいいでしょう。
だから英語や国語を勉強するのと同じように、知識としてマナーを理解することも大切です。
それにより安心感が得られ、心にゆとりが生じます。
ゆとりが生まれれば、その分他者に思いやりの心が芽生えます。
例えば弔事におけるシーンで、葬儀に参列する際は黒い衣装を着用するということを理解していれば、それに応じることができ安心しますが、それが理解していなかったら常に他人の服装が気になって落ち着きません。
こうなると目の前に困っている人がいてもサポートすることはできなくなります。困っている相手に安らぎを与えようと思えば、自分自身に心の余裕が必要だということです。マナーの知識が豊富な人は相手に不安や緊張感を与えることなく、ホッとした安心感が与えられます。
マナーは難しくとらえることはありませんが、「感謝」「尊敬」「思いやり」の気持ちを態度や表情や言葉で具体的に表現することだと心得てください。
そして表現の仕方は国々の文化、歴史、国民性、気候風土、宗教により異なるということも併せて理解してくださいね。
特に上に立つ人は良きお手本になってください。
マナーの日にちなみ、素敵なマナーを日頃どれくらい発揮できているか、改めて思い起こしてみられてはいかがでしょうか・・・。
そして今後も「マナーうんちく話」に仲良くお付き合いください。
またお気軽にお声をかけて頂ければと思います。