マナーうんちく話511≪逆らいしぐさ、前置き言葉にご注意あれ!≫
突然ですが「七五三現象」をご存知でしょうか?
新卒で就職した人のうち、中卒の人は7割、高卒の人5割、大卒の人は3割の人が3年以内に離職する割合です。
勿論企業、業種、職種により違いはあるでしょうけど、最近の現象ではなく10年前と殆ど変っていないという点が気になります。
ちなみに就学、就労、職業訓練のいずれも行っていない若者、つまり「ニート(NEET)」と呼ばれる人は、10年前は約40万人でしたが、今は60万人だと言われています。
加えてパートやアルバイトとして働く人や、それを希望する「フリーター」と呼ばれる人は、概ね200万人位の水準で推移しているそうです。
いずれにせよ、新卒者を迎い入れた企業がせっかく教育投資しても、稼げるようになる前に辞められては元も子もありません。
原因は仕事のミスマッチや健康面もあるでしょう。
だから学生時代から仕事に耐えうるだけの体力作りも必要です。
加えて世界屈指の長い人生を、「どのように生きるか?」という生活設計も大切です。
仕事の適性もぜひ把握したいものです。
そのためには自分自身としっかり向かい合うことが大切です。
また進路についても幅広い視野を持つことも必要でしょうし、インターンシップの有効利用もお勧めです。
しかしこれで全てではありません。
早期離職する理由として、職場における人間関係が非常に大きな要因になっていると思います。
長い間、学生や中途就職希望者の就職支援に関わっていますが、再就職希望者で以前の職場を辞めた人の多くは「人間関係」で、改めてマナーの大切さを感じます。
そして若い人はストレスに対する耐性が備わって無いのではと痛感します。
今の若者は褒められて育っていますので、注意されたり叱られたりすることに慣れていません。
さらには難局に立ち向かう勇気に掛ける傾向にある気がします。
安全安心思考でしょうか。
勿論、情報収集能力に長け、幅広い教養を備えるなどいい点も多々あるのですが・・・。
新卒者を迎い入れる側は、この点をしっかり理解することが大切だということです。
最近掲載された新聞記事に「新卒採用後3年以内に仕事を辞めた人を対象に実施した民間団体によるインターネット調査結果」では、「なるほど」と頷ける結果が出ていました。
「上司が理不尽な怒り方などを改めれば辞めずに済んだ」と、半数の人が答えています。
さらに入社4年目以降も仕事を継続できている理由では、トップが「同僚との良好な関係」、続いて「上司との良好な関係」と続いています。
この結果をどのように捉えるかはそれぞれでしょうが、新卒者と上司の関係は本当に大切ではないでしょうか。