マナーうんちく話1321《一人暮らしの親の葬儀の香典はどうする?》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:弔事のマナー

最近よくあるケースですが、親が一人暮らしだった場合の葬儀で、子どもは香典をどのようにしたらいいのでしょうか?

ちなみに今の日本は世界屈指の超高齢社会で、約三人に一人が高齢者で、独居高齢者は年々増加傾向にあり、全国に約600万人います。

理由は様々ですが、中には家族と同居するより、一人暮らしの方が幸せを感じるという人もいます。
他の国ではあまりない現象だと思うのですが・・・。

確かに年をとって、自由な暮らしを選択できることはいいことだと思いますが、一方では「孤独死」を身近に感じる人も多く、独居高齢者のうち44%が感じているとか・・・。

従って親が一人暮らしをしていた場合の葬儀は、これから増加傾向になると思いますが、このようなケースは、誰が喪主を務めるかにより香典の扱い方が違ってきます。

喪主は香典が不要ですが、それ以外の独立した子どもは出した方がいいでしょう。

前回のコラムでも触れましたが、そもそも葬儀には何かと金銭的な負担が遺族にはかかります。

それに対して相互扶助的な意味が有りますから、喪主や施主でない場合は出した方がいいと思います。

ただし実際に葬儀の喪主や施主にだれがなったとしても、これだけで終わることは殆どありません。

その後も法事も有れば、お墓を作らなければならないこともあります。
仏壇しかりでしょう。相続問題も絡むでしょう。
相続が「争続」になる場合も多いようです。

香典を出す、出さないという形式より、とに角、当事者同士での話し合いが必要です。しかもいざという場合では遅いので、事前にコミュニケーションを図っておくことをお勧めします。

話し合いで解決しなければならないことは沢山あります。

たとえば一人暮らしの高齢者が急に亡くなる場合も有れば、その前に病院や介護施設のお世話になる場合もあります。
「延命治療」の如何を問われることもあります。

これらは結論がスムーズに出ないのが一般的です。
だから「転ばぬ先の備え」が必要なのです。

ところで「喪主」と施主の違いをご存知でしょうか?

「喪主」とは喪に服す主です。
跡取りが一般的ですが、遺族の代表として弔いの中心人物で有り大きな役割を背負います。

これに対して「施主」は布施する主、つまり葬儀費用を負担する人です。

社葬は喪主と施主が異なる場合が多いようですが、通常の個人の葬儀は喪主と施主は兼任が多いので、同じ意味で使用される場合が多いようですね。

今「終活」が話題になっています。
葬儀、お墓、仏壇、相続等も大切ですが、葬儀を仏式で行う以上は、是非仏教の知識を身に付けられることをお勧めします。

「葬儀とは?」、「葬儀は何のためにするのか?」、「香典とは何か?」などの理解も大切でしょう。
加えて、仏壇や御墓に関する知識も大切だと考えます。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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