マナーうんちく話461≪手土産の頂き方≫
秋の彼岸が近くなってくるとめっきり涼しさが増してきます。
そして食べ物が多く出回る時期ですが、秋と言えば「木の子」でしょうか?
中でも「万葉集」にも登場する「山のダイヤモンド」松茸が話題になる頃でもあります。国産の松茸は値が張るので滅多に口にできませんが、匂い、味、姿には風格が漂っているように思います。
そして松茸はなんといっても香りがよいのが大きな特徴ですが、その香りを活かした「松茸の土瓶蒸し」は食べ方に迷うことが有ります。
「マナーうんちく話606《松茸の土瓶蒸しの食べ方》」を参考にして下さい。
ところで間もなく「敬老の日」ですね。
子どもの日、母の日、父の日、クリスマス等と共に贈り物商戦で活気づいていますが、日本人は本当に贈り物が好きな国民ですね。
豊かで平和で、贈り物を通じ思いやりの心を発揮する国民性のせいでしょうか・・・。
贈り物に関しては素晴らしい文化を有しています。
ただ贈り物には理由が必要です。
つまり「何のために贈るか?」という明確な理由が無ければ頂く方も困ります。
だから普通は、相手に何か喜び事や祝い事、あるいは不幸な出来事が無い限り贈り物はしません。
その点「お土産」は理由が無くても、気軽に贈ることが出来、相手も大した負担はかかりません。
そればかりか、相手とさらに人間関係を深めることに繋がります。
ちなみにお土産にかける予算にも県民性があるとか・・・。
私が住んでいる「晴れの国」岡山県は、お土産に費やす金額が日本一だということを観光バスのガイドさんから聞いた記憶が有ります。
雪や台風の被害が少なく、冬場の灯油代も少なく、負担がすくないので、旅行に行けば、お土産代に回せるゆとりが有るからだそうです。
そう言われてみれば、プライベートや出張などで旅に出れば、必ずと言っていいほどお土産を買うことが有ります。
しかも昔は、住所録持参だったのですが、今は便利になったのでいつでもタイミングよく配送できるのもいいですね。
お土産は「致し方ない義務」と捉えずに、「良好な人間関係を築く大切な贈り物」と捉えれば素直に贈ることが出来ます。
また多彩な品物を迷いながら、あれこれ考えて、手間暇かけて選んで贈る行為の中に、良好な人間関係を築く要素が有ると思います。
お土産を頂いた人は、必ずと言っていいほど喜びます。
そしてお土産を渡すことにより、「その人の事を日頃から大切に思っているという気持ち」を具体的に表現する事が出来ます。
つまり気持ちを「形」にすることが出来るわけです。
加えて、お土産のウンチクにより会話が弾みます。
特に海外旅行となればなおさらでしょう。
最後に渡し方ですが、「甘いものがお好きと聞いていたのでこれを選びました」等と《好意を含ませる一言》が加味されればさらに効果的です。