基礎から指南!接客・接遇マナー4≪「マニュアル型対応」と「臨機応変型対応」の華麗なる融合≫
だいぶ昔の話ですが、ホテルに入りたての頃、チップを頂く機会が多々ありました。特に外国人のお客様からよく頂きましたが、臨時収入に繋がるわけですから英会話の練習にも熱が入ったのを記憶しています。
しかし、日本のサービスはチップを頂くにせよ、頂かないにせよサービスには変わりなく、いずれも一流だと思います。
これはひとえに国民性に有るのではないでしょうか?
つまり、「和する心」と共に、自分だけではなく「常に相手を思う心」が根底にあるからです。
典型的な例が、かの有名な近江商人(おうみしょうにん・おうみあきんど)の「三方よし」の精神です。
近江商人とは、鎌倉時代から昭和20年頃にかけて日本各地で活躍した滋賀県(近江国)出身の商人です。
ちなみに、日本3大商人とは「大阪商人」「伊勢商人」「近江商人」です。
今、近江商人が思想・行動哲学として大事にしてきた、売り手よし、買い手よし、世間よしという「三方よし」の精神が大きな関心を集めています。
「売り手」とはメーカー・生産者・サービス業等で、「買い手」とは消費者・メーカー・企業等、そして「世間」とは地域社会から世界全体、地球環境まで含むと認識したら良いと思います。
つまり、近江商人は「三方よし」をモットーに、自分の利益ばかり追い求めるのではなく、沢山の人に喜ばれる商品、沢山の人のためになる商品を提供して多大な信用を築いてきたわけですね。
加えて、このように着実に商いをして得た利益はインフラ整備に費やす等、社会貢献にも精を出しました。
商売を通じて、地域社会の発展のために寄与する精神は、個人も社会も幸せにする、小さいけど素晴らしい力で、現代流に置き換えれば「自分よし・相手よし・皆なよし」でしょうか?
そして、この精神が脈々と受け継がれてきたのが、昨年の東京オリンピック招致委員会ですっかりおなじみになった「お・も・て・な・し精神」だと思います。
自分もさることながら、お客様に満足を与え、地域社会や地球環境にまで貢献することに誇りとプライドを抱いてきたわけですね。
「win-win」と言う経営学に関する言葉があります。
取引によって両者が利益をこうむる、いわゆる売り手よし、買い手よしの意味ですが、ここまでは実現できても、なかなか「世間よし」は困難です。
喜劇王のチャプリンは「世界中の人が少しずつ素敵なマナーを発揮すれば世の中はもっとハッピーになる」と述べていますが、世界中の商人が心の底から、「売り手よし、買い手よし、世間よし」の事を考え、実行すれば良いですね。
私が主宰している「岡山ハッピーコミュニケーション」はマルチなマナーや生きがい創り等の講座・講演を幅広く展開していますが、その根底にあるものは「売り手よし・買い手よし・世間よし」の気持ちです。
さらに大切にしていることがあります。
「近江商人の十訓」の一つである、「売る前のお世辞より、売った後の奉仕」の教えです。
セミナーや講演で素敵なご縁を頂いた皆様方との絆を大切にしています。
お陰さまでリピーターが絶えません。
深謝!