マナーうんちく話342≪マナー美人⑨「旅館のマナー」≫
日本の四季の美しさは世界中の人が羨ましがるところですが、四季の他に一年を24に分類した「二十四節季」と、72に分けた「七十二候」があります。
いずれも、歳時記や時候の挨拶で取り上げられており、日々の暮らしや季節を感じることができますが、もとは米や麦などの農作業の目安として大きな存在意義がありました。
そして今は、二十四節季では15番目に当たる「白露(はくろ)」の頃です。
暑さが落ち着き、大気が冷え込み、露を結ぶ頃と言う意味です。
秋の趣がひときわ感じられるようになり、草に降りる露が冷えて、玉のように白く輝いて見える様を、昔の人は「白露」と表現しました。
非常に風流な表現ですが、この露の寿命は短く、蛍や蝉と同じく、儚いものの象徴でもあります。
一方、海の幸では、この時期は「アワビ」がおいしい時期です。
アワビの語源は、二枚あるべき貝殻が片方しかないから「貝殻が合わない身」と言う言葉が転じて、「アワビ」になった言う説が有力です。
実は、このアワビは長寿をもたらす食べ物として古来より縁起物として神様のお供えとして用いられてきました。
そして今では、慶事における贈答品や進物に添える飾りになっています。
加えて、「恋教えどり」といわれるセキレイが恋の季節を迎える時でもあります。
ちなみに、誰に恋を教えたのかご存知でしょうか?
恐れ多くも、日本で最初の夫婦であると言われているイザナギノミコトとイザナミノミコトに男女の交わりを教えたとされています。
だから夫婦仲の良い、夫婦円満の縁起の良い鳥とされています。
《マナーうんちく話》もお陰様で800回を迎えることができました。
深謝いたします。
「八」は下、すなわち裾が広いから「末広がり」と言われますが、日本人が大変喜ぶ数字です。まさに日本を象徴する富士山のようですね。
また「800」は大変数が多い意味があります。
例えば、江戸は非常に沢山の町が存在したので「八百八丁」と呼ばれ、大阪は橋が沢山あるので「八百八橋」と呼ばれましたね。
ちなみに日本には「八百万の神(やおろずのかみ)」がいらっしゃると言われますが、これは八百万の神々ではなく、数えきれないくらい多くの神が宿ると言う意味です。
同じように、野菜を商いする店を「八百屋(やおや)」といいますが、これは八百の野菜を商いするのではなく、一年を通じ様々な野菜を商いするからです。
これからさらに900回、1000回を目指して、末広がりに繋がるうんちくを重ねて参りたいと思っています。
今後とも何卒よろしくお願いいたします。