まなーうんちく話782≪和室のマナー④「畳のふちを踏むな!」の真意とは?≫

平松幹夫

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テーマ:日常生活におけるマナー

和室に入ると畳との付き合いが始まります。
日本の伝統文化はインドや中国経由が多いのですが、畳は日本独特の住宅文化で、その歴史も非常に古く、奈良時代にはすでに存在していたようです。
材料は「い草」です。

ちなみに「女房と畳は新しい物が良い」と言われますが、「若い妻と新しい畳は清々しくて気持ちが良い」と言う意味で、転じて、「何でも新しい物は良い」と言う意味で使用されます。

但し、男性上位の考えが浸透していた封建時代に生まれた諺ですから、今は使わないようにして下さいね。

ところで、畳の部屋では、「畳の縁を踏むな」と言われます。
かつて、畳の縁にはその家の家紋をあしらったり、豪華な模様をちりばめて縁を高くして、主人の地位の高さを誇っていました。

従って、「畳の縁を踏む」と言うことは、そこの主人に対し失礼にあたるので、今でも畳の縁を踏んではいけないとよく言われます。

しかし、本来は、奉公人への「思いやり」の言葉でもあります。
昔、主人に食事を運ぶのに、箱膳を女中が目の高さ位に持って運ぶため下が良く見えません。

畳の縁にけつまずく恐れがあります。
従って、「畳に縁を踏むな」の意味は、「高くなっている畳の縁に、けつまずかないように注意して下さいよ!」と言う意味が込められています。

加えて、「敷居を踏むな!」とも言われます。
敷居とは、襖や障子の下に敷かれている横木の事です。

障子やふすまがスムーズに異動できるように溝があるわけですが、その溝にゴミがたまります。
だから、「敷居を踏むとゴミで足が汚れるから注意して下さい」と言う意味が込められています。

さらに、敷居を踏むと時としてトゲが刺さることもあります。
従って、「トゲにも注意して下さいね」と言う意味もあります。

和の礼儀作法は、慣れないうちは、窮屈で、堅苦しいかもしれませんが、「相手に対する思いやりの心」がその根底にあるわけですね。

また、和室に通される時には素足は失礼ですから、ストッキングやソックスをお忘れなく。

和服で訪問した時には、外を歩くうちに埃や汚れがつきます。
従って、改まった訪問の場合は、家に上がる前に足袋をはきかえるのもお勧めです。足袋の予備は是非持ち合わせて下さいね。
特に雨降りの時等は注意して下さい。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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