マナーうんちく話269≪顧客満足より従業員満足≫
そのためには、受け入れる側、即ち昭和生まれの先輩や上司が、社会の構造変化がもたらした時代の流れを正しく認識し、彼らの事をキチンと理解し、真摯な態度で、彼らと向かい合っていくことが必要ではないでしょうか?
時代の流れにマッチした新入社員教育が求められると言うことです。
それでは、変化してきた状況に適応した対策について触れて参ります。
先ずは、「平成の新入社員は難しい」と言う声は、「学校で学ぶ学力」ではなく、仕事に対する「全般的な心の問題」として捉える必要が有ると考えます。
そして、そこが、自分の世代とは大きく異なるという事を充分考慮したうえで、「あせらず、じっくり育てて行く」心構えが大切です。
加えて、平成生まれの新入社員に、「何を教えるか?」「どのように教えるか?」を明確にした育成計画も必要でしょう。
大まかな計画でも良いですが、出来れば、なるべく細かな計画を立て、一つずつ確実にこなしていくことがお勧めです。
■何を教えるか?
○ビジネス社会の現実を理解させ、「働いて給料を稼ぐとはどういうことか?」「組織とは何か?」、さらに「働く喜び」「仕事の喜び」等。
これは新入社員のみならず誰にとっても難しい課題です。
特に新社会人にとって、組織で働く難しさや喜びを感じることはかなり困難な事でしょう。
夢や希望に満ち溢れ社会人の仲間入りした若者が、そろそろ「こんなはずではなかった」と挫折するかもしれません。
そこで、直ぐに夢を追い求めるのではなく、先ずは「焦るな!」「早まるな!」です。
そして、今はただ、目の前の仕事を理解して、一生懸命やり遂げることが大切だと言う事をキチンと教えてあげて下さい。
○自分の事より優先しなければいけない、「職場のルールやしきたり」が存在すること。
仕事始めは職場のルールを把握することからですが、職場には、成文化された職務規定以外に、長い間の慣習により成り立っている、職場独特の「しきたり」や「ルール」も存在します。
これらは職場の「和」を保つためにできた物が多く、良好な人間関係を築く上で大切なものです。無駄に思える物も存在するかもしれませんが、先ずは尊重し守ることからです。
○職業人としての「マナー&コミュニケーション」及び「業務に必要なスキル」。
特に、職場における基本的なマナーは必要不可欠です。
新入社員に無理押しするのではなく、先輩・上司が身を持って素敵なマナーを発揮して、良き手本を示すべきです。
ちなみに、日本で成文化された最初のマナーは、聖徳太子が公布された「17条の憲法」だと言われていますが、これは当時の貴族や高級官僚に対してのものです。加えて、西洋でもマナーは、国王、諸侯、貴族、騎士のプロセスを経て広まっています。
新入社員より、先輩・上司が身につけるべきです。
○不易流行的側面、つまり、時代の流れに沿った教育も大事ですが、如何に時代が変わろうとも変えてはならない部分、例えば「下積みの苦労」「我慢すること」「耐える事」「他者を思いやること」等。
以上ですが、次回は「どのように教えるか?」、具体的に触れて参ります。