マナーうんちく話521≪お心肥し≫
陽が長くなり、夜が次第に短くなってきましたね。
おなじみの漢詩の一節、「春眠暁を覚えず」を思い浮かべる方も多いと思います。
「春の眠りは心地良くて、何かと朝寝坊しやすい」意味でよく使用されますが、意味の解釈には色々な説があるようです。
「春になりすっかり夜明けが早くなったので、いつもの時間通りに起きても、冬と異なり、はや明るくなっている」と言う意味も有力です。
意味の解説はさて置き、春は体調の変化をきたしやすく、睡眠が不規則になりがちです。
加えて、年度末や歓送迎会など何かと多忙になり、肉体的にも精神的にも負担がかかる時期です。
良質の睡眠は美容や健康に良い事は既に科学的に立証済みですが、最近では認知症などの予防効果もあるということもわかってきました。
逆に言えば、睡眠不足が度重なると何かと良くないわけです。
しかし、解っているけど、無理を承知でしなければならないことが多い時期でもあります。
大変難しい課題ですが、あえて良質の睡眠とバランスの良い栄養はしっかりとり、ストレスは程々にて、身も心も元気で活躍下さい。
昔から「寝る子は育つ」と言われます。
日頃からよく眠る子どもは健康な証拠で、健やかに育つと言う意味です。
最近は「早寝早起き」が出来ない子供が増えているようですが、これに不規則な食生活が加わわれば、行く末がとても心配です。
この事は大人にも言えることです。
「早起きは、人を健康に、富裕に、そして賢明にする」とは、フランクリンの言葉で、早起きすることがいかに大切であるかを解いています。
古今東西「早起きは身体に良い」ことは通説のようですが、日本には「早起きは3文の徳」という、誰もが親から教わった言葉があります。
「徳」は「得」にもおきかえられます。
早起きは健康にいいばかりではなく、他にもいい事、つまり利益があると言うことです。ちなみに、当時の3文とは、今のお金に換算して大体100円位ではないかと言われております。
つまり、「早起きすると些細やかではあるけど良い事に恵まれるよ」と説いるわけで、アメリカ合衆国の物理学者であり政治家でもあったフランクリンのように、「富裕」とか「賢明」のような、大それた言葉とは対照的な表現をしています。ここが、いかにも日本人らしい気がしますが如何でしょうか。
しかし、いくら理屈では分かっていても一分でも寝床にいたいのが今の季節ですが、これも礼儀作法と同じです。
礼儀作法も、理屈で理解しても発揮しなければ意味ありません。
最初は窮屈で、かなり意識しないとなかなかできません。
しかし、次第に慣れてくれば大変心地良くなり、生涯の良き伴侶になります。
出来る範囲で、早めに寝床に入り、少しだけ早く起きることを心掛けて下さい。早く起きた分、朝に「ゆとり」を持つことができます。
朝起きたら、窓を開け太陽の光を浴びたり、水やさ湯を飲む事もお勧めです。
ラジオ体操や草木に水をやる事もいいですよ。
朝食は出来る限り丁寧に取って下さい。
出来る範囲で歩いて通勤して、春の息吹を感じるのも心が豊かになります。
以上、先ずはできる事から始めてみて下さい。
「3文の徳」の積み重ねはやがて大きな力になります
これで大成功した偉人・賢人は日本にも沢山います。
最近は自分へのご褒美プレゼントが流行っていますが、「健康」は自分自身に贈る、最大で最良のプレゼントです。