マナーうんちく話499≪習慣は第二の天性なり≫
昨日は打って変わって青空に恵まれ、寒いながらも春の気配がかすかに感じられる日になりましたね。
ところで春の語源は、「草木の根が張る頃だから張る」、「比較的天気のいい日が多いから「晴る」」等色々な説がありますが、定かではありません。
しかしいずれも前向きで心が弾む意味が多いようです。
春の訪れを感じるのは人それぞれですが、皆様は如何でしょうか?
ショーウインドウの飾り付け。
道行く人のファッション。
卒業式。
それとも、春を告げる花が咲いた時でしょうか。
ちなみに、この時期はうららかな春を告げる鳥とされている鶯(ウグイス)が山里で鳴き始める頃です。
鶯は全国に生息しており、ホーホケキョと泣く事でよく知られておりますから、すぐにわかります。
万葉集にも梅と共によく登場しているので、昔から日本人には春の鳥としてなじみが深かったようですね。
花札を楽しむ方は「梅に鶯」の絵をご存知だと思います。
加えて、選挙などでマイクを握る女性の事を「ウグイス嬢」と呼びますが、これはウグイスの鳴き声のように美しい声に例えた言い方です。
『可を見て進み、難(かたき)を知りて退く』と言う言葉が中国に有ります
素直に解釈して頂ければいいですが、有利と判断したら進み、不利と判断したら退くと言う意味です。
ごく常識なことですが、これがなかなか難しいわけですが如何でしょうか?
明確な勝算も無いのにやみくもに突き進んだり、不利だと判断して退くのは卑怯だと言う捉え方です。
つまりTPOに応じて、適切な判断が大切であると言うことです。
進めそうな状況で有れば進み、立ち止った方がいいと判断したらひと呼吸し、さらに、ヤバイ!と思ったら勇気を持って退散することです。
このことは「商売」でも「婚活」でも同じことが言えます。
賭け事もしかりですね。
色々な場面において、「進むばかりが能ではない。無理するな!」と言う事を教えてくれる言葉です。
マナーも同じ事が言えます。
不必要に形ばかりにこだわる事無く、TPOに応じて、柔軟に対応する事が出来れば嬉しいですね。
そのためには、先ず基本をきちんと理解し、合理的な理由を把握し、加えて、状況に応じて臨機応変に対応することです。
特に日本のマナーは、西洋のマナーと異なり、他者に対する思いやりの心を基盤に柔軟性を重視します。不必要に形にこだわることなく、可を見たら進み、難を知ったら退くと言うことですね。
鶯はよく梅とセットにされます。
しかし、鶯は梅の木だけにとまるわけではありません。
柳の木にも、桜の木にもとまって美しい声を発します。
折々の状況判断が上手な鳥です。
ちなみに「梅に鶯」とは、鶯は梅の木にとまると言う意味ではありません。
既に述べましたが、梅は「春告げ花」、鶯は「春告げ鳥」と言われるように、両者は共に春の到来を告げてくれる嬉しい使者です。
つまり、美しく調和する物、似たもの同士、取り合わせの良い物の例えで、和食と日本酒、フランス料理とワインのようなものです。