基礎から指南!接客・接遇マナー23≪トラブル&クレーム対応③≫

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:接客・接遇マナー

今までの復習になりますが、トラブルやクレームを無くすることは事実上不可能に近い事です。
そして、お客様がそのサービスに不自由を感じている場合、時と場合にもよりますが、概ね20人に1人の割合でクレームをつけると言われております。

その時には、迅速かつ誠実な対応で、より善いサービスのステップアップを心掛けて下さい。何事も最初が肝心です。

私は長年ホテルで接客の仕事に携わっていましたが、ホテル業界はハード面とソフト面を含めて、クレームは付き物だと思います。冷暖房の効きが悪い、照明が暗い、水道の水圧が低い、従業員の態度が横柄、レストランの味が変わった等など挙げればきりが有りません。

しかし、そのほとんどは、現場責任者がきちんと対応すれば、事は丸く収まりますが、時として最高責任者まで及ぶこともあります。

こんな場合は、往往にして、クレームが発生した原因そのものより、最初の対応のまずさに、お客様が納得いかないケースが多いものです。

現場責任者や指導的立場にある人は、トラブルやクレームが発生した時には、キチンと謝り、誠意を持って対応する心構えを常に持ってほしいものです。

ここで改めて、「クレームが発生した時の心構え」について触れておきます。

○問題解決が優先。
クレームが発生した時に、お客様のせいにして、店側の正当性を主張したり、言い分を通すことは感心しません。お客様と店が、どちらが良いか?悪いか?を争うのではなく、先ずは目先の問題解決を優先することが大切です。

○最初に受けた者が、お客様と会社(組織)の橋渡し役になる。
お客様からクレームを受けるのは何も管理職に限った事ではありません。時には派遣社員・アルバイト・新人が受ける場合もあります。勿論責任ある対応は不可能ですが、当事者意識を持って対応することが大切です。

次に具体的に対応の仕方です。

○先ずは謝罪。
この時の謝罪は、こちら側の非をすべて認めるための謝罪ではありません。お客様が気分を害したという事実に対する謝罪ですから「不愉快な思いかおかけしてしまい、誠に申し訳ございません」のようないい方がお勧めです。

この一言で、お客様の不快感はかなり落ち着きます。例え、自分自身に落ち度が無くても、クレームを申し渡されたら、その店や組織を代表して謝罪してされる事をお勧めします。

○お客様の話を伺う。
真摯な態度で、お客様の言い分をしっかり話を聞いて下さい。申し訳ない態度と、必要に応じて相槌を打つことと、最後までキチンと聴く事がポイントです。そして、原因・状況・お客様の気持ちを的確に把握し、必要に応じ要約して、しかるべき人に報告することです。

○問題の解決に導く。
・立場によって異なりますが、責任者に報告する。
・責任ある立場の者は、店側に非が有る時にはキチンと謝罪します。原因説明が必要な場合もあります。また、客様の勘違いの場合は、納得いく説明を解り易く、相手の自尊心を傷つけないようにして下さい。
・具体的な対応方法の提示を行います。
具体的な理由説明が必要になることもあります。また、時間や経費がかかる場合は、具体的な期限や数字も必要になってきます。

○感謝と情報共有。
謝罪後、指摘頂いたことへのお礼の言葉を述べて下さい。次にしかるべきものへの報告と情報の共有を図って下さい。

お客様(他者)との距離に対する意識を「対人距離」と言います。つまり威圧感を感じたり、親近感を抱く距離の事ですが、クレーム対応の場合は、お客様との距離は、近すぎず遠からず、大体45㎝から150㎝の範囲がおすすめです。

加えて、「対面角度」は、正面に相対したら対立を招きかねないので、90度位の角度がお勧めです。但し状況に応じて下さいね。

さらに、前回もお話ししましたが、お客様の気持ちがなかなか収まらない時は、人・場所・時を変えるのも有効です。

3回に渡りクレームについてお話ししましたが、クレームは、発する人も、受ける人も、人柄、つまりその人の品格が出ます。心して下さいね。






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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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