マナーうんちく話500≪継続は力なり、500回ありがとう!≫
南北に細長い日本では四季を通じ、様々な花を愛でることができます。
このコラムでも、「梅」「万作」「桃」「桜」「牡丹」「芍薬」「卯の花」などが登場しましたが、どちらかと言えば、これらの花は、日本人に愛された花です。
日本は、「華道」と言う独特の文化を持った国ですから、花に対する愛着は非常に強いものが有るようですが、花を愛でる習慣は世界中に存在します。
そして、世界を視野に入れた場合、世界中で最も多くの人に愛された花と言えば薔薇ではないでしょうか?
薔薇は、世界中に古くからある花だけあって、大変多くの伝説を持っています。
日本にも多くの愛効家が存在し、また素晴らしいバラ園が有りますが、その薔薇が持つエピソードや歴史に思いをはせ、花の持つ独特の美しさや、香りをお楽しみください。
ちなみに、一輪のバラには実に数百種類の香りが有るそうで、エジプトのクレヲパトラが、宮殿に薔薇を敷きつめたり、バラ風呂を好み、こよなく香りを楽しんだ話は有名ですね。
そして、薔薇と言えば、加藤登紀子さんが歌って大ヒットした「百万本のバラの花」があります。
マイベストプロがご縁で、福山で「職業講話」を担当しており、山陽本線で福山に行く機会が度々有りますが、福山市の市花は「薔薇」ですので、列車が入線する時に「100万本のバラの花」の曲が流れることが有ります。
ある貧しい絵描きが、ロケでやって来た美しい女優に恋をしました。
そして彼は、投げ出しのお金をはたいて、町中の花屋から薔薇を買い込み、彼女が宿泊しているホテルの前の広場を、薔薇の花で埋めつくしました。
しかし、その女優は薔薇を見て、どこかの金持ちがふざけて行ったことだと思い、再び別の町に旅立ったわけです。
出会いはそれで終わりです。
この物語に対する感じ方は色々あると思います。
「せつなくて実らなかった恋だけど非常に格好いい」と取るか、「何故そんなに回りくどい方法を取るの?ラブレターでも書けばよかったのに」と思う人もいるでしょう。
そこで質問です。
5月23日は何の日かご存知でしょうか?
往往にして、「今日は何の日?」と言えば「語呂合わせ」がヒントになっているケースが多いですが、実は「コイブミ」すなわち「恋文」の日であります。
恋文とは、「恋しく思う気持ちをつづった手紙」、横文字に直すと「ラブレター」
です。
もともと日本では、思いを伝える手段としては、男性から女性に花を差し出す習慣はなく、もっぱら上流階級でも恋文が主流だったようです。
万葉集にも恋の歌は一杯ありますね。
好きになった人に、思いを伝えるのは薔薇を贈ったり、恋文を書いたり、メールを送信したり等色々と有りますが、恋をするということは、古今東西、そして老若男女にかかわらず実にすばらしいと感じます。
恐らく殆どの人が、今までで一番優しくなれる時であり、思いやりの心が表れる瞬間ではないでしょうか?
「昔から恋は盲目」と言われますが、人に恋すると自分を見失うこともあります。
しかし、長い人生、すべて杓子定規に生きるより、自分を見失う位に夢中になれる瞬間は、一番幸せな時だと思います。
そして、恋をすることにより感性が磨かれます。
初恋の人、淡い恋の人、穏やかな恋の人、老い楽の恋の人、それに燃えるような恋をしている人、いずれにせよ人に恋をしたり、愛されたりすることにより、人生はハッピーに輝くと思います。
長い人生で、ドキドキ、ハラハラ、ワクワク過ごせる時期があったら、それがたとえ失恋に終わっても、最も意義あるものだと考えます。