マナーうんちく話706《結婚式の心付けのマナー》
4月21日に「金婚式」の話題が山陽新聞に掲載されていましたね。
万感の思いで読まれた方も多いと思いますが、毎年のことながら大きな感動を与えてくれる素晴らしい記事です。
半世紀もの長い間、夫婦が共に力を合わせて生活し、多彩な年輪を刻み、なおかつ、その健在ぶりを誇示する記事は、「晴れの国」を明るく照らす意味においても、大変意義深い記事だと思います。
そして、百花繚乱の花が咲き誇る華やかな時節に、晴れやかな金婚式を迎えられたご夫婦に、心よりお慶びを申し上げます。
おめでとうございます。
日本は世界屈指の長寿国であり、岡山県だけでも100歳の方は1115人存在し、今や「人生100寿」の時代に差しかかっています。
従って、この長い人生を「いかに生きるか」と言うことは大きな命題ですが、長い人生をより良く生きるためのキーワードは「仕事」と「愛する人」に恵まれることだと考えます。
どのような仕事に就くかは、自分のみならず、伴侶や家族にも大変大きな影響を与えますが、仕事が充実しておれば人生はとても楽しくなります。
しかし、それだけでは少し寂しい気がします。
仕事に加えて、「愛する人」に恵まれることです。
「愛の花咲くところに生命がよみがえる」ともいわれます。
その視点においては、結婚は大変人生を充実させてくれると思います。
仕事だけでは寂しいし、愛だけでは食っていけません。
「仕事」と「結婚」が両立することが何よりではないでしょうか?
また、「金婚夫婦お祝いの集い」に参加された多くの夫婦はそうしてこられたのではないでしょうか。
しかし、現在の日本の結婚事情を考えてみると課題山積です。
先ず若者が結婚にネガティブです。
従って、合計特殊出生率も、半世紀前に比較してかなり低下しており、少子化への歯止めはかかっていません。
さらに、半世紀前に比べて結婚件数は殆ど変わりませんが、離婚件数は4倍近く増えています。これでは若者の結婚へのあこがれは低下します。
ちなみに、愛する人と一緒に暮らすには、それなりの秘訣が有ります。
なんだかお分かりでしょうか?
夫婦間の愛情を描いたフランスの小説家シャルドンヌによると「相手を変えようとしないこと」だそうです。
光源氏は、夫婦関係に有った女性が13人いたそうですが、今の世では賛同できませんね。
ところで、「結婚」と言う言葉は明治になってできた言葉ですが、「結」と「婚」が結びついて成り立っています。
「結」は「いとへん」に「吉」です。
つまり、糸で吉を固く結ぶと言う意味です。
一方「婚」は嫁ぐと言う意味ですが、「おんなへん」に「昏」と書きます。
昏とは暗くなると言う意味です。すなわち、一旦嫁いだら白髪になるまで生活を共にするということです。
美しい黒髪姿で嫁いでも、半世紀を経過すれば白髪になります。
しかし、それだけ長い人生を仲睦ましく、共に過ごしたと言うことで、人として最も尊い生き方で、若者の良き模範になります。
日本には、結婚披露宴でおなじみの「偕老同穴(かいろうどうけつ)」と言う大変美しい言葉が有ります。
「偕」は「ともに」で、「同穴」は「墓の穴」の意味で、夫婦が共に仲睦まじく暮らして、死んだら同じ墓に入るわけです。要は、夫婦の愛情が末長く続くと言うことですね。
先日、京都の木村さんが116歳で世界一の長寿者としてギネスに認定された記事が掲載されていました。
一方、世界には夫婦生活が80年を超えたカップルも存在します。
「晴れの国」岡山から、「ダイヤモンド婚式」の記事が発信される日を楽しみにしております。