マナーうんちく話524≪幸せの捉え方≫

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:日常生活におけるマナー

早くも藤の花が咲き始めましたが、春の雨上がりの時、始めて空に虹がお目見えする頃で、七十二候では「虹始見る」頃と有ります。

虹は日本では七色と相場が決まっていますが、それぞれの国や民族、それに時代によっても、色の捉え方はかなり異なります。

マナーとは感謝、尊敬、思いやりの気持ちを抱き、それを具体的に言葉や態度で表現することですが、その表現の仕方は、それぞれの国や地域により、大きく異なるのと同じですね。

虹の色は、日本では七色ですが、西洋では6色や5色になります。
さらに極端な例では、暗い感じの色と、明るい感じの色の2色のみと言う国もあるようです。

さらに、日本では虹は「幸せの象徴」と捉えますが、この見方も必ずしも同じではないようですね。

虹は英語ではRAINBOWと表現し、日本では外来語としてすっかりおなじみですが、その意味はrain(雨)とbow(弓)、すなわち「雨の弓」です。

フランス語ではARC-EN-CIEL(アルカンシエル)、つまり「空に掛かるアーチ」を意味します。

そして中国では虹は、「蛇」や「竜」とみなすようです。
従って昔は、虹が空に掛かれば、竜がやって来たといわれていたとか。

しかし、美しい自然に恵まれた日本人は、虹がかかっているのを見たら、誰しも美しいと感じ、その色を詳細に感じ取り、豊かな感性で表現しています。
ここが日本人の素晴らしいところだと感心します。

もっとも、虹を7色に分類しているのは、ニュートンの虹の研究に由来するそうで、そういえば、音楽のドレミファソラシドの音階も7音ですね。

ところで「朝虹は雨、夕虹は晴れ」と言う諺をご存知でしょうか?
「朝虹に傘忘れるな」ともいいます。

虹が朝かかったらその日は雨になるから、傘を持参せよ、しかし、夕方に虹が見えたら明日は晴れるぞ、と言う意味です。

先人は、虹を見て単に「綺麗だ」と感心するだけではなく、キチンと虹の見える時間帯を把握し、生活に密着した天気を予報していたのですね。

この諺は現代科学でも理にかなっているそうですから、朝虹を見かけたら傘をお忘れなく・・・。

さて、日本では幸せの人生の事を「バラ色の人生」とか「虹色の人生」と表現します。

「雨が降らなければ 虹は見えない」、あるいは「虹を見たければ、雨を我慢しなければいけない」という名言が有ります。

虹は幸せの代名詞ですが、雨はそれを邪魔する存在です。
そして、雨には虹にない大きな魅力が有ります。
乾いた大地を潤し、万物の成長を育む力を持っています。

しかし、雨が降る時には、虹は架かりません。
「雨と虹は両立できない」と言うことです。

人それぞれ幸せの捉え方は異なります。
まさに10人10色です。

しかしいずれにせよ、本当の幸せを手に入れたければ、何かを我慢しなければいけないことも多々ありますね。
「幸せ」の中には「辛いこと」が含まれているわけです。

「人生山あり谷あり」です。
しかし、いかなる状況に陥ろうとも、虹を見たら美しいと思える心のゆとりを持っていたいものですね。



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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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