マナーうんちく話53≪接客の歴史と社会貢献≫
立春を過ぎても寒い状態を「余寒(よかん)」、春になって寒さがぶり返す事を「春寒(しゅんかん・はるさむ)」、そして、桜が咲く頃になって急に寒くなる事を「花冷え(はなびえ)」と表現しますが、今年は例年よりかなり早くから桜が開花したので、「春寒」と「花冷え」の使い分けが難しい気がします。
いずれにせよ、桜が咲く頃は陽気が定まらないので、何かに付けご注意くださいね。
ところで、歳を重ねて来ると、チョッとした言葉がすぐに出てこなくて、「えーと」「そのぉー」と言う言葉がよく出ます。
これはさておき、スピーチなどでも「えー」「そのぉー」等と、直接必要でない言葉を連発する人も珍しくありませんね。
発する方はこれといった意識が無いまま発するわけですが、聴く側は、あまり好感が持てません。
この癖は、当の本人は意外に気が付きにくいので、言いづらいことを、あえて指摘してくれる人がいればいいですね。
ちなみに、これらの「前置き言葉」で、最も嫌がられる言葉が、「でも」「だって」「どうせ」等の言葉ではないでしょうか?
「でも、○○だったから、仕方ないでしょう・・・。」
「だって、××みたいにはできないよ・・・。」
「どうせ、△△なんか・・・。」
というように、暗い感じが漂い、否定的な流れになっていきます。
特に、「でも」「だって」「どうせ」「だけど」の「D」のつく言葉や、「しかし」の使い方にはくれぐれも注意が必要です。
特に子育て中の親や、職場で指導的立場にある人は、より注意が必要です。
親が常に否定的な言葉を家庭で使用すると、それを聴いて育った子供も、大人になったらそのような言葉を使用するそうです。
ヨーロッパには、「雛鳥は親鳥の言う通りにさえずる」と言う諺がありますが、まさにそうですね。
今春休みの真っ盛りです。いつもより子供と過ごす時間が多い親もいることでしょう。くれぐれもご用心下さい。
実はこの事は、すでに江戸時代から言われていたようです。
まだ、何もしないうちから、「でも」「だって」「どうせ」「だけど「「しかし」等の文句を並び立てて、相手に逆らうことはご法度だったわけです。
特に、自分より年長者の言うことは、先ずそれを尊重し、素直な態度で従うことが大切だとされていました。
自分より長く生きて、多くの経験を積んでいる人の言うことは、たとえ無理だと感じても、先ずはそれに従う姿勢が大切だと言うことです。
特に、プレゼンテーションをしたり、人前で話す機会が多い人は、時には自分の話し言葉に、耳を傾けられる事をお勧めします。
加えて、否定的な言葉や言い訳言葉とは、なるべく縁を切ることも大切だと考えます。
これが聞き手に対する思いやりだからです。
「馬には乗ってみろ、人には沿うてみろ」と言う言葉をご存知でしょうか?
その馬の良い所は実際に乗ってみないと分からない。
それと同じように、人は連れ添って始めて、その人の良さがわかるという意味です。
言い訳ばかりするより、先ずは行動して、それから、どうするかを判断することが大切だと言う教えですね。
そしてもう一つ。
謙虚さも大切ですが、挑戦することも大切だと思います。