マナーうんちく話486≪大切にしたい序列のマナー≫
ホテルの現場の第一線で、接客の仕事に携わっていると、クレーム対応も大切な仕事になります。
特に役職が上がれば上がるほど、クレームの対応は重要度が増してきます。
クレームの対応に明け暮れる時もしばしありますが、いつものことながら、決して楽しい仕事ではありません。
時には胃が痛むことも有りますが、サービス業と言う仕事柄、避けて通ることはできません。
しかし、このことは、悪いことばかりではありません。
精神的に苦境に立てば、その時はつらいですが、後になって、優しさが身につき、人間観察力が習得できます。
そして、クレームを言う側に立った時に、どう対処すればよいか理解できます。
今巷には、マナーの本が氾濫するくらい有ります。
そのほとんどが、「クレーム」に関する内容が記載されていますが、内容は変わりません。
先ず「謝罪」、次に「状況の把握」、そして「解決策の提示」です。
そして、クレームは「言う側」と「言われる側」に分かれますが、言う側も、言われる側も、互いにマナーが必要です。
しかし、言う側のマナーについて解説している本は非常に少ない気がします。「言う側」と「言われる側」の潤滑油になるのがマナーです。
従って、「言う側」にも、マナーは存在する、と言うことを認識して下さい。
それでは、具体的に「言う側」のマナーを解説します。
先ず、クレームを言う時には、言う相手をキチンと確認して下さい。
相手がアルバイトの人やパートの人でなく、しかるべき責任ある人に言うことが大切です。
次に、自分の名前をフルネームではっきり名乗って下さい。
ちなみに受ける側は、相手が名前を言わなかったら、名前を伺っても結構です。
そして、クレームの内容を告げます。
発生した事実をキチンと伝え、相手にそのことを理解して頂き、今後の改善を促せます。
クレームを、感情的にならずに、「思いやりの心」で伝えることは、とてもいいことだと思います。
しかし、本当はクレームを伝えたいのだけど、「面倒なことはしたくない」「どうせ言っても変わらないだろう」「どうせひと事だ」、あるいは「クレーマーだと思われたくない」等の理由で、クレームを伝えない人が圧倒的に多いのではないでしょうか?
接客態度や商品が良くなくて、気分を害した時、担当者に、キチンと名前を名乗って、眼を見て、冷静にクレームが言える人はマナー美人です。
ここに、その人の品格が出ます。
なお、クレームの対応の仕方は《マナーうんちく話241と242》を参考にして下さい。